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「初かつを」の季節到来!名古屋の老舗「美濃忠」さんより2月上旬から5月までの期間限定銘菓が登場

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

季節の走り。いわゆる、旬の味覚を一足先に取り入れるという日本食文化の特徴のひとつ。特に和菓子の世界では二十四節気と申しまして、約2週間ごとに練り切りなどの上生菓子の意匠(デザイン)を変えていくところも。日々刻々と表情を変えていく季節の移ろいを上生菓子の中に閉じ込めていきます。

さて、日本三大和菓子処と言われる京都・金沢・松江のほか、もうひとつ立派な和菓子処だとおもっているのが愛知県名古屋市。と申しますのも、織田信長をはじめとする武将が嗜んだ茶の湯文化が栄えたこの街には、老舗とよばれる和菓子屋さんが沢山!

初かつを
初かつを

名古屋市に本店を構える「美濃忠」さんは、1854年創業の老舗。最中や焼き饅頭といったあんこを味わえるような和菓子のほか、特に羊羹などの棹物と呼ばれる和菓子でも名高い和菓子屋さんです。その美濃忠さんには、毎年2月上旬から5月にかけてのみ販売される、ちょっと珍しい棹物のお菓子があるのです。今回は美濃忠さんの代名詞の一つともいわれる「初かつを」をご紹介。

重厚感からは歴史と自信がうかがえるような気がします
重厚感からは歴史と自信がうかがえるような気がします

立派なお刺身の柵のような…!
立派なお刺身の柵のような…!

初かつをとは、3月下旬や4月上旬から5月にかけて旬を迎える鰹のこと。創業時から作り続けていらっしゃる歴史の長いお菓子なのですが、その見た目がなんともお刺身の柵のようなんです。薄桃色の柔和な色合いは、赤みを帯びた鰹よりも大トロのような印象も…

付属の糸をよじって上から…
付属の糸をよじって上から…

材料はお砂糖・米粉・葛粉・小麦粉(ほんの少しの着色料)のみ。それだけでこのように不思議でお魚のような模様を描くのですから、職人さんの技術たるや。

包丁ではなく、付属の糸をよじって切ってくださいとのこと。なるほど、確かにこの柔らかさは包丁を入れたとしても剥がすのが大変そうです。

ストンと真下へ下ろします。糸をピンと張るのがコツです
ストンと真下へ下ろします。糸をピンと張るのがコツです

常温はとろりとして、口に入れた瞬間のまろやかな甘味を楽しみながら、舌の上で溶かしていくような感覚です。また、冷蔵庫で冷やしていただくと、プルンと軽やかな弾力が加わり、甘味も幾分爽やかな印象を伴って、もちっとした食感と共に噛みしめるのもまた一興。

お刺身のように切りましたが、もっと厚切りがおすすめです!
お刺身のように切りましたが、もっと厚切りがおすすめです!

消費期限が4日程という短さも納得の瑞々しさ
消費期限が4日程という短さも納得の瑞々しさ

個人的には、冷やしたものを大き目の一口でいただくのが好みでした。

大胆にブロック状にカットしても、お刺身のように薄めにカットしても、同じ味わいながら異なる食感を楽しめるのがまた面白いですね。

こちらは半棹サイズ
こちらは半棹サイズ

由緒あるお店から「初かつをを買ってきたよ!」と聞けば、その驚きを話題の種にしながら和やかなお茶の時間を過ごすことができそうですね。

最後までご覧いただきありがとうございました。

柳谷ナオ

<美濃忠・本店>
公式サイト(外部リンク)
愛知県名古屋市中区丸ノ内1-5-31
052-231-3904
9時~18時
定休日 元旦

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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