油断できない台風18号から変わった低気圧
台風18号が日本海へ
台風18号が朝鮮半島を通過し、10月3日(木)夕方には日本海で温帯低気圧(低気圧)に変わる見込みです(図1)。
台風に向かって暖かく湿った空気が流入した西日本の太平洋側では、局地的に雷を伴って激しく降り、3日1時10分に大分県佐伯市蒲江付近で1時間に約110ミリの雨を観測しました(図2)。
3日は、西日本の太平洋側を中心に大雨となるおそれがありますので、土砂災害などに厳重な警戒をしてください
台風の持ち込む暖気
台風は、熱帯の上層まで暖かくて湿った空気を持ち込みますので、大気が不安定となって積乱雲が発達して大雨となると同時に、晴れて日照があるところでは季節外れの暑さとなります。
台風18号も同じで、全国的に最高気温は平年並みか平年より高く、沖縄だけでなく、北陸~西日本の日本海側ではフェーン現象も加わって30℃を超え、真夏日となる予報です。
衣替えとなる10月1日が過ぎましたが、10月1日の最高気温は、全国で気温を観測している926地点のうち145地点(全体の16%)が、最高気温30度以上の真夏日となりました。
2日も117地点(全体の13%)が真夏日となり、3日も大分で32度、金沢、岡山、松江で31度など、各地で真夏日の予報がでています。
台風が低気圧に変わっても状況は同じです(図3)。
低気圧に向かって、暖かくて湿った空気が流入しますので、4日も熊谷、甲府、静岡、高知で32度、東京、横浜、広島で31度など、各地で真夏日の予報がでています。
そして、真夏日にならなくても、蒸し暑い状態が続く予報です。
つまり、10月としては季節外れの蒸し暑さが続く予報ですので、熱中症対策が絶対に必要です。
低気圧として発達
台風18号から変わった低気圧は、4日から5日にかけて日本海を発達しながら東に進んで北日本に接近し、通過する見込みです。
北日本では、4日から5日にかけて暴風や高波、大雨に注意・警戒が必要です(図4)。
台風が低気圧に変わっても、勢力に変化がなかったり、逆に発達する可能性があります。
また、台風が低気圧に変わると、強風の吹く範囲が広がるというのはよくあります。
このため、気象庁が発表する情報では「台風が低気圧に変わった」といい、「台風が低気圧に衰えた」とは言いません。
台風18号は低気圧に変わりますが、低気圧に変わったからといって安全になったというわけではありません。
台風の時と同様の警戒が必要です。
ようやく秋の気温
気象庁とウェザーマップの最高気温と最低気温の予報を見ると、台風18号の暖気流入が終わった10月6日(日)以降は、全国的に気温が下がります(図5)。
これで、10月初めまでの季節外れの暑さはなくなり、ようやく平年並みか平年より少し高い秋の気温になりそうです。
東京の16日先までの天気予報を見ると、体育の日を含む10月の3連休(12~14日)は、昨日までのお日様マークが3日間とも入っている予報から、14日に傘マークがつく予報に変わってきました(図6)。
14日の降水の有無の予報の信頼度が5段階で二番目に低いDですが、黒雲マーク(雨が降る可能性がある曇り)もありますので、3連休の天気が気になります。
最新の気象情報を入手し、行楽の秋を楽しんで欲しいと思います。
タイトル画像、図4、図6の出典:ウィザーマップ提供。
図1、図2、図3の出典:気象庁ホームページ。
図5の出典:気象庁資料とウェザーマップ資料をもとに著者作成。