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サンウルブズ初先発の齋藤直人。感じた圧力は。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真は試合前日(筆者撮影)

 試合後の気持ちは。

「ファンの方には感謝していますが、満足したプレーもできず、悔しい気持ちも抱いていました」

 早稲田大学4年の齋藤直人は、2月15日、国際リーグ・スーパーラグビーの第3節に日本のサンウルブズのスクラムハーフとして初先発。東京・秩父宮ラグビー場で、優勝経験のあるチーフスに17―43と敗れた。

 齋藤はピンチを救うタックルや正確なロングパスで光ったが、接点で相手の圧力を受けたこともあってか不満足。初の日本代表入りに向け、高みを目指し続ける。

 以下、試合後の共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――試合を踏まえて。

「経験を積めたと言うとチームメイトに申し訳ないですが、うまくいかない試合を長い時間、経験できて。これを次に繋げないといけない。ブレイクダウンは経験したことのないプレッシャーがかかりました。でも、そのなかで戦わなきゃ。日本代表に行ったら――経験したことはないですけど――ほとんどの相手が大きい選手でプレッシャーがかかると思うと、ブレイクダウンでプレッシャーがかかっているからさばけない、では言い訳にならない」

――プレッシャー。

「2人目の絡み、ジャッカルが多かった。こっちのサポートの問題か、キャリアの問題かはわかりませんが、ハーフの指示で言えることがあったのかと。自分のスキルの問題もありますが、チームメイトに(サポートするよう)うまく伝えて(ということが必要)。こう言っては何ですが、自分がいいプレーをするためにも味方にも『こう動いて欲しい』の要求をしていかなきゃいけない。きょうもファーストフェーズできれいなボールが出ない時は、言いました(注意を促した)。ここは、唯一チームで決まっているプレーなので。

 ただ、ポジティブ過ぎるかもしれませんが、攻めた時は――獲りきれなかった時も含めて完全に崩せていた。アタックはスコアできなきゃ、完全にはあれですが」

――テーマは何だったか。

「コントロール。でも、その辺はだめでした」

――自陣の深い位置へ駆け戻って好タックルを決めたシーンについて。

「ゲインされるな、と思って。ああいうところはサンウルブズが大事にしようとしている。右へのパスコースを消そうと思って走って、うまく絡めました」

――試合後、チームメイトで元南アフリカ代表のルディ・ペイジ選手と話をしていた。

「ブレイクダウンの話です。チーフスは皆が同じ絵を見ていいアタックをして、ブレイクダウンに入る。サンウルブズはそこでよくなかった…という話です。多分」

――ペイジ選手は開幕節の怪我から復帰。定位置争いが激しくなります。

「アタックのコントロールが課題ですが、ディフェンスで貢献する意味では少しは張り合える。まず練習への姿勢、態度は示す。ルディがいるから試合に出られないというのではチームのためにも自分のためにもならない。いち選手として、ライバル視します」

 ただ投げる、蹴るだけではなく、周囲に必要なプレーをするよう促し、全体を見渡し、試合を「コントロール」することを目指してきた。

 仲間に伝えるべきことは伝え、自省すべき点は自省し、実力者の定位置争いにも気後れしない。チームは22日、ブリスベンでレッズとの第4節をおこなう。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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