ナショナルズの打者2人が同じ試合でメジャーリーグ最多記録をそれぞれ樹立。その陰にはあの名将がいた
5月8日、ワシントン・ナショナルズのブライス・ハーパーとライアン・ジマーマンが、1試合のメジャーリーグ最多記録をそれぞれ樹立した。
ハーパーの1試合6四球はジェフ・バグウェルらと並ぶ最多タイだが、ハーパーは4打席目に死球で出塁しており、イライアス・スポーツ・ビューローによれば、打数ゼロで7度の出塁は新記録だという(打席と打数については→「今さらながら「打席」と「打数」について知っておきたいこと。「首位打者」や「連続安打試合」にも関わる話」)。
ジマーマンの1試合14残塁は新記録だ。これまでの最多は、トッド・ヘルトンやデビッド・オティーズ(ボストン・レッドソックス)らが記録した12残塁だった。これらは、イニング終了となった打席以外も含んでいる。例えば、ジマーマンは初回に1死一、二塁から三振に倒れた。この場合の残塁は2と数える。
2人の新記録は、対戦したシカゴ・カブスの監督、ジョー・マッドンによって生み出された。ハーパーは6四球のうち、敬遠で3度歩かされた。この日は、5月5日から始まったナショナルズ対カブスの最終戦。ハーパーはその前の3試合で計12打席に立ち、四球で7度出塁した(うち1敬遠)。敬遠でなくとも、マッドン監督の指示により、カブスの投手がハーパーとの勝負を避けていたのは明白だ。打順は4試合とも、ハーパーが3番、ジマーマンが4番だった。
4連戦を迎えた時点で、カブスとナショナルズは両リーグ・トップ2の勝率を残していた。カブスは20勝6敗(勝率.769)、ナショナルズは19勝8敗(.704)。CBSスポーツのマット・スナイダーは、両チームが対戦する直前に「今シーズンここまでの最も興味をそそられるマッチアップ」に挙げていた。ところが、シリーズはカブスの4連勝に終わった。
カブスが快走を続ける要因の一つに、マッドン監督の存在があることは間違いない。