強豪チームの新戦略
2022年度のMLS(メジャー・リーグ・サッカー)で創立5年にしてVを飾り、昨年も準優勝したLAFC。
元メキシコ代表のカルロス・ベラ、イタリアの名DFジョルジョ・キエッリーニ、ウェールズ代表のガレス・ベイル、そして今季は、W杯ロシア大会でキャプテンとしてフランス代表を牽引し、同国2度目の優勝に大きく貢献したウーゴ・ロリスを獲得するなど、補強を続けてきた。強いチームを作るための努力を惜しまない姿は、MLSを活性化させている。
そのLAFCが現地時間の1月16日、初代欧州マネージングディレクターとの契約締結を発表した。白羽の矢を立てたのは、ハラルド・ゲルトナー。今後、ゲルトナーがLAFCのヨーロッパ部門を率いていく。特に、オーストリアのFCヴァッカー・インスブルックとの提携に力を注ぐ模様だ。
クラブのCBOであるラリー・フリードマンは語った。
「ハラルドのようなサッカーの知識が豊富な人材をクラブに加えられることに興奮している。彼はFCインスブルックとのパートナーシップを築く上で重要な人物だ」
ゲルトナーは、FCインゴルシュタット04(ドイツ)、FCクラーゲンフルト(オーストリア)で仕事をした経験を持つ。
ゲルトナーもコメントした。
「この仕事は私にとって非常に魅力的です。このクラブが、インスブルックやその先にある野心的な目標を達成できるよう、サポートさせていただきます」
去シーズン、リオネル・メッシが加入したことにより、インテル・マイアミにはスペイン、そして南米ルートが出来た。メッシの母国であるアルゼンチンは確かに世界的な強豪国だが、1部リーグのクラブに所属していても、給料の未払いや遅れが頻繁に見られる。若き才能は、いち早くヨーロッパへの移籍を希望する。とはいえ、そのマーケットに名前が載らない選手は、他の手を探すこととなる。
メッシがMLS入りする前から、アメリカを目指す南米選手は多くいたが、ベテラン中心だった。今後は、若手がチャンスを求めてMLSを検討しそうだ。
そんななかで、LAFCがオーストリアと手を組んだ点が興味深い。何かやってくれそうな気配である。