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拘りの粒あんも歴史も重量級。「清寿軒」さんの小判どら焼きは、食べたら納得の愛される銘品。

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

日本橋三越本館や大型オフィスビルが立ち並ぶ日本橋もあれば、江戸橋を挟んで人形町や堀留町といった歴史情緒漂う伝統とグルメの日本橋など、実は広く町名も多岐にわたる日本橋エリア。

その中のひとつ、日本橋小舟町にお店を構える「清寿軒」さんは、創業160年以上、江戸時代末期に創業なさったお店です。

雑誌などのメディアにもたびたび掲載され、その人気ぶりは全国からファンが集う程。閉店時間前に名物のどら焼きが完売してしまうことがほとんど。

そんな清寿軒さんにはどら焼きが二種類あるのですが、今回は一枚皮の「小判どら焼き」をご紹介。

小判どら焼き
小判どら焼き

「小判どら焼き」は、現在のご当主である7代目の日向野(ひがの)政治さんが考案なさいました。二枚の皮を使用した王道スタイルのどら焼きは「大判どら焼き」として現在も変わらず人気の商品です。

手でしっかり支えます
手でしっかり支えます

この小豆の粒立ちは、丁寧に炊かれた証拠
この小豆の粒立ちは、丁寧に炊かれた証拠

小判といえども超重量級の一枚皮のどら焼きは、その大胆な容姿も人気のひとつ。見た目からも伝わるしっかりと焼き上げられた皮から漂うのは、蜂蜜や味醂のまろやかなコクと香ばしさ。そしてきらきらと輝く大粒の小豆がお手本のような粒あんは毎日お店にて手作業で炊かれ、甘みを控えたあっさりとした味わいです。素朴であるものの、甘味ではなく香ばしさと旨味がぐっと引き出された味わいのバランスは流石。甘い、ではなく、「濃い」と表現したくなるこの感覚を、ぜひ一度体感してほしいなと思います。

皮はふかふかとした食べ応え
皮はふかふかとした食べ応え

代々受け継がれてきたどら焼きですが、その時代のニーズに合わせて甘味を調整しているのだとか。

厳選された材料は変えず、どの時代でも美味しいと感じてもらえるような、そんな日常に寄り添ったどら焼き。

かつて人形作りがさかんだった人形町の住民から、商いに訪れる人たちまで。いつの時代も変わらず、沢山の人たちにご贔屓にされているのも納得です。

開店前から行列ができることもある清寿軒さんですので、もし訪問の予定があらかじめ決まっているのでしたら、電話予約をなさることをお勧めいたします。

<清寿軒>

公式サイト(外部リンク)

東京都中央区日本橋堀留町1-4-16

03-3661-0940

9時~17時(どら焼きが売り切れ次第終了)

定休日 土日祝

東京メトロ日比谷線・都営浅草線「人形町」駅A5口より徒歩5分

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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