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『中学聖日記』再放送で光っていた2人の美少女、小野莉奈と中田青渚の現在の活躍は?

斉藤貴志芸能ライター/編集者
『中学聖日記』に出演していた小野莉奈 (c)草刈雅之/HUSTLE PRESS

有村架純主演のドラマ『中学聖日記』(TBS系)が「特別編」として再放送されている。新米教師と10歳年下の中学生の禁断の恋の物語で、有村の相手役を熱演した岡田健史のデビュー作でもあった。本放送は2年前。岡田は一躍注目の的となり、活躍を続けているが、再放送を観ると彼の同級生役だった2人の美少女も目を引く。小野莉奈と中田青渚(せいな)。彼女たちも現在、大役を務めた作品の公開が控えている。

恋敵役に「大胆でもやさしい面を出したかった」

 片田舎の中学校に赴任した新米教師の末永聖(有村)。婚約者がいながら、担任したクラスの生徒・黒岩晶(岡田)に惹かれていく。誰からも応援されない純愛の行方を、晶が中学を卒業した3年後まで描いた『中学聖日記』。晶の同級生で彼に想いを寄せる岩崎るなを演じたのが小野莉奈だ。

『中学聖日記』より (c)TBS
『中学聖日記』より (c)TBS

 るなは負けん気が強く一途。聖への恋心を募らせる晶に「末永なんか忘れて私とつき合えばいい」とアプローチを続ける。それでも自分を好きになってはもらえず、彼の母親に「担任の先生が晶くんをたぶらかしてます!」と半泣きで嘘を並べて訴えて自己嫌悪に陥ったり。花火大会でデートしながら聖への想いを口にする晶に苛立ち、強引にキスをして拒まれたりも。主人公の恋敵のポジションながら、報われない健気さが胸を打ち、インパクトを残した。

 小野は当時18歳。小6のときにお遊戯会で『ライオン・キング』のシンバを演じたのをきっかけに女優を志し、高2で事務所のオーディションに合格。この『中学聖日記』が初の連続ドラマレギュラーだった。

 当時の取材では「るなはすごく良い子ですけど、やることが大胆なので、『何なんだ?』と思われないようにするのが難しいところ」と話していた。特に聖と直接対面するシーンが難関だったとのこと。

「最初はるなという役を嫌われたくなくて、穏やかに先生と接していたら、『もうちょっと強めに』と言われました。でも、『冷たすぎたかな?』と反省してます。監督さんの指示を単純に受け取ってしまったんですけど、もう少しるなのやさしい性格も出せれば良かったかなと」

主演映画では夢に破れた演劇部員の役

 小野はその後、『絶対正義』や『JOKER×FACE』などのドラマに出演し、7月24日公開予定の映画『アルプススタンドのはしの方』では主演している。この作品はもともと2017年の全国高等学校演劇大会の最優秀作で、昨年、小野らがキャストを務めて舞台化。ほぼ同じ主要メンバーで映画化された。『中学聖日記』でるなの友だち役だった西本まりんも出演している。

 高校野球の夏の甲子園大会で、スポットライトを浴びる同じ学校の選手たちを観客席の端で見つめる冴えない4人が主人公。小野は夢に破れた演劇部員の役で、野球には興味なくルールもよく知らない。

「ズバズバものを言う役ですけど、本人に悪気はなくて、何が起きても動じないタイプ。私はそんなに強くないし、ズバズバ言ったりもしませんけど、サバサバしていて好き嫌いがハッキリしているところは、ちょっと似ているかなと思います」

 舞台の際の取材では、そう語っていた。

“クラスの美少女”が映画で長回しの見せ場

 一方、『中学聖日記』でクラスで一番の美少女という香坂優を演じていたのが中田青渚。自由奔放なキャラクターで、聖と晶のことは興味本位で見ている様子。3年後にはイマドキ女子高生になっていて、晶に「末永がどこにいるか知りたい?」と居場所をちらつかせて、かき回す。小野のるなほど出番はなかったが、設定通りの美少女ぶりが話題になった。

 当時は大学1年生。中3でコミック誌『Sho-Comi』の「プリンセスオーディション」のグランプリをきっかけに芸能界入り。映画『3月のライオン』に『ミスミソウ』といじめ役が続いたこともあり、『中学聖日記』での美少女役には「笑っちゃいました」と語っていた。

 その後は、吉岡里帆主演の映画『見えない目撃者』での事件の端緒となる誘拐された女子高生などを演じて、『愛がなんだ』や『アイネクライネナハトムジーク』の今泉力哉監督の新作『街の上で』(近日公開予定)にも出演している。

『中学聖日記』に出演していた中田青渚 (c)河野英喜/HUSTLE PRESS
『中学聖日記』に出演していた中田青渚 (c)河野英喜/HUSTLE PRESS

 若葉竜也が演じる主人公と関わる4人の女性の1人で、自主制作映画の衣装スタッフ役。もともと標準語だった台詞が、神戸出身の中田に合わせて、すべて関西弁に書き換えられた。若葉と2人の17分の長回しによる会話シーンでは絶妙な掛け合いを見せ、予告動画で冒頭に使われて見せ場になっている。

「家に男女が2人でいると、ちょっといやらしく見えたりもするじゃないですか。そこはそう見えすぎないほうがいいと思いました。かと言って、男女のドキドキ感がなさすぎても面白くないから、ちょうどいい具合になるように監督と話しました」

 演じるのはつかみどころのないキャラクターで「私は初めて会った男の人を家に入れたりはしませんけど(笑)、あっけらかんとした感じは似てると思いました」とも。

役で彼氏をコロコロ変えても素は「恋愛に疎い」

 自身は地元で幼稚園から中学までほぼ同じクラスメイトと過ごし、高校は恋愛禁止、現在通う大学は女性8割で「恋愛には全然疎い」とか。「演技のためにも恋愛はしたほうがいいと思いますけど、ずっと友だちと思って接してきて、急に男女の雰囲気になるのがすごく苦手。だから私は恋愛にならないのかなと思います」とも話していた。

 最近では、夏公開の映画『君が世界のはじまり』の出演も発表された。高校生が中年男性を殺害する事件が起きた大阪の街が舞台で、中田は松本穂香が演じる主人公の親友で彼氏をコロコロ変える女子高生の役。公式HPにコメントを寄せている。

「私が演じた琴子は口も態度も悪いですが、自分の気持ちに正直で周りの人から生き方を羨ましいと思われるような女の子。演じることは新鮮であり挑戦でした。一瞬で過ぎ去ってしまう青春時代の儚さや苦しさがぎゅっと詰まっている作品になっていると思います」

 学校モノのドラマでは、数年後になって、生徒役から何人もスターになっていることは多い。『中学聖日記』の再放送ではフレッシュな演技の輝きを改めて感じさせる小野莉奈と中田青渚だが、撮影からは2年。女優としてより成長したところで、岡田健史に続くブレイクを期待したい。

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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