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JR飯山線の観光コンセプト列車「おいこっと」登場!

伊原薫鉄道ライター
JR飯山駅で展示会が行われた「おいこっと」車両。

JR東日本では、平成27(2015)年春より飯山線で新コンセプト観光列車「おいこっと」の運行を開始する。既存のディーゼルカー2両を改造して専用車両を製作、運行に先駆けて12月23日に車両展示会が行われた。今回は、この「おいこっと」車両を紹介しよう。

田舎の民家をイメージした室内。ロールカーテンも障子風だ。
田舎の民家をイメージした室内。ロールカーテンも障子風だ。

この日、飯山駅展示されたのは「おいこっと」に使用される観光車両のうち、改造が終わった1両。現在飯山線などで普通列車として活躍しているキハ110系気動車をベースに、「訪れる人すべてにやすらぎと癒しを提供する」というコンセプトのもと、古民家をイメージした内装にリニューアルされた。車内は暖かみのある座席にテーブルを配置。ロールカーテンや照明は障子がイメージされている。車内の壁照明や外観には、唱歌「故郷」の歌詞「兎追ひしかの山、小鮒釣りしかの川・・・」にちなんだ、兎や山、小鮒などのかわいいアイコンも見られる。車内にはクーラーボックスなども設けられ、イベントや車内販売にも対応している。

あたたかみを感じさせる「おいこっと」の車内。
あたたかみを感じさせる「おいこっと」の車内。
ボックスシートには大型のテーブルが。一般運用時には収納可能となっている。
ボックスシートには大型のテーブルが。一般運用時には収納可能となっている。

ちなみに列車名の「おいこっと」とは「おいこっと=OYKOT」=TOKYO(東京)の逆読みで、大都会・東京の真逆にある「ふるさとの風景」をイメージして名付けられた。雪ん子をイメージしたロゴマークも作られ、車両側面やヘッドマークなどに用いられる。

「おいこっと」は、今月下旬からまずは定期普通列車として運行を開始。平成27年春からは土日を中心に、2両編成で長野駅〜飯山駅〜十日町駅間を走る観光列車としても運行を予定している。車内や停車駅では様々なイベントも計画されているとのこと。十日町駅からは、日本酒が楽しめる観光列車「越乃shu*kura」も運行されており、ダイヤ設定によっては両列車を組み合わせての旅が楽しめるかもしれない。北陸新幹線の開業で首都圏と直結する飯山線。緑豊かな路線を盛り上げる車両として、その活躍が今から楽しみだ。

鉄道ライター

大阪府生まれ。京都大学大学院都市交通政策技術者。鉄道雑誌やwebメディアでの執筆を中心に、テレビやトークショーの出演・監修、グッズ制作やイベント企画、都市交通政策のアドバイザーなど幅広く活躍する。乗り鉄・撮り鉄・収集鉄・呑み鉄。好きなものは103系、キハ30、北千住駅の発車メロディ。トランペット吹き。著書に「関西人はなぜ阪急を別格だと思うのか」「街まで変える 鉄道のデザイン」「そうだったのか!Osaka Metro」「国鉄・私鉄・JR 廃止駅の不思議と謎」(共著)など。

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