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田中亮明「環境やスタイルも大きく変わった」きっかけは弟で3階級王者の田中恒成

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

東京五輪ボクシング男子フライ級の田中亮明(27)が、26日の初戦でリオ五輪銀メダリストのフィノル・リバス(ベネズエラ)を相手に勝利した。

田中はフライ級では170cmと長身でサウスポーだ。左ストレートは破壊力があり相手を怯ませるのに十分な迫力がある。

これまでは、長身を生かしたアウトボクシングで、どちらかというとカウンター重視のボクシングだった。

試合前のインタビューで「相手を倒すつもりで向かっていく。自分から仕掛けて倒しにいきたい」と話したようにボディ打ちも交え、相手の勢いを止め、見事に大金星をあげた。

序盤から積極的に攻める姿勢がレフェリーに評価され、ポイントに繋がったのだろう。

変わったきっかけ

亮明を変えたのは、弟でボクシング世界3階級王者の実績を持つ田中恒成(26=畑中)だ。

恒成は、高校卒業と同時にプロに転向し、プロ入りから僅か5戦で世界王者に輝いた実績を持つ。

それまでは、別々に練習していたが、新型コロナウイルスの影響で1年の延期が決まってから一緒のジムで練習していた。

「弟と一緒に練習してアドバイスをもらうことが増えた。ボクシングスタイルも変えて、攻めに行くことのアドバイスなどもらい、環境やスタイルも大きく変わった」

「ボクシング以外の話題で話すことはない」と話していたが、一緒にいる時間が長くなったおかげでコミュニケーションも増え、兄弟としての絆も深まったようだ。

恒成のアドバイスに「力強いパンチが打てるようになって、体力を気にしないで戦えるようになった。年下だけどすごい選手。自分にここまで言ってくれる人はいない。素直にありがたいなと思った」と感謝を伝えている。

初戦を観戦した田中恒成は「良い戦いぶりだった。興奮する戦いぶり。気持ち良かった。昔から今までも含めて、オレの周りの中で一番強いボクサー」と勝利を喜んだ。

五輪への想い

亮明は前回のリオ五輪、あと一歩のところで代表権を逃した。その悔しさもあり東京五輪への意気込みは強い。

「目標は金メダル。オリンピックで派手な試合をして目立ちたい」

次戦は31日、リオ五輪銅メダルで168センチ長身の胡建関(フ・ジャンガン=中国)と対戦する。

またしても強敵だが、勝てばメダルまであと一歩だ。

日本人のフライ級でのメダル獲得は、60年ローマ五輪銅メダルの田辺清以来の快挙となる。

積極的なボクシングで勝ち進んでほしい。

【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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