「ありがとうクリロナ」 奇跡的ベスト16に韓国湧く 「メッシ連呼」「名誉韓国人住民証」まで登場
3日に行われたカタールW杯グループH韓国-ポルトガル戦。
最終戦にグループリーグ突破の可能性を賭けた韓国には、「韓国代表監督の自国との対決」「その監督が前節の退場でベンチに入れない」といったエピソードの他に、もう一つ因縁があった。
「クリロナ憎し」
事が起きたのは3年前。世界的スーパースターがユベントスに在籍時に「Kリーグオールスター」との対戦のために韓国を訪れた。当時、チームにはジャンルイジ・ブッフォンなどのスターが在籍したが、クリスチャーノ・ロナウドはもちろん"目玉"だった。
韓国代表が今大会の参加32か国&GS全48試合で唯一達成した「あること」
しかし、当時の契約事項には「最低45分は出場」と明記されていたにもかかわらず…その前に訪れたシンガポールや中国での試合の疲れもあってか、試合中にベンチに座ったまま。いっこうに立ち上がらなかった。それどころか試合前の韓国の子どもたちとの交流イベントもドタキャンしていた。不誠実な態度に韓国では「泥棒野郎」というあだ名がついてしまった。主催者側による裁判沙汰にまで発展した。
今年4月のファイナルドローでポルトガルとの対決が決まるや、韓国のネット界隈では「やりかえす」という言葉で溢れかえったほどだった。
かくして迎えた、2022年12月3日の試合。
韓国は5分にあっさり先制を許したが、それは右サイドからC・ロナウドの突破から始まったものだった。
しかしその後、韓国のネット界隈を喜ばせるシーンが生まれた。27分のことだ。
韓国のコーナーキックの状況でキム・ジンスが蹴ったボールがポルトガル守備陣に当たり方向が変わる。
これがC・ロナウドの背中に…急なバウンドの変化に対応しきれなかったのだ。
そのこぼれ球をキム・ヨンクォンが左足で合わせた。
これに対し各媒体も大喜び。以下のように報じている。
「3年前のノーショーを”アシスト”で補償? ベント・コリアのベスト16入りに献身したロナウド」(聯合ニュース)
「泥棒から”韓国人”へ。ロナウドありがとう、
と住民登録証のパロディまで」(アジア経済)
「ロナウド、ノーショーを謝罪? ”名誉韓国人”のパロディーが大流行」(韓国経済)
いっぽうネット上では「C・ロナウドが韓国国民になった」というイジりで溢れた。
上記の通り、「ロナウド」の発音に韓国語を当てた「住民登録証(マイナンバーカード)の写真」や「C・ロナウドに韓国代表ユニフォームを着せた合成写真」が出回った。
また、日本のテレビ中継でもロナウドがボールを持つ度に場内に鳴り響いたブーイングが聞こえたのではないか。
中央日報はこれを「ノーショー、忘れていなかった…韓国ファン、"メッシ"と連呼」と報じた。「東亜日報」もまたこの様子を報じつつ、クリロナをこう切り捨てた。
「警戒対象の第1号だったが、蓋を開いてみると最悪のプレーぶりで韓国のベスト16入に寄与した」
またこの日はピッチ上でも一騒動あったようだ。1-1で迎えた65分、ロナウドがベンチから交代を告げられた時のこと。
韓国代表FWチョ・キュソンが早くピッチから出るように促した。すると、「急にポルトガル語で悪口を言い始めた」。さらに「この時ポルトガルの別の選手があれこれと言い始めて、さらにロナウドが悪口を続けていた」という。
いっぽう、これに対するロナウドの言葉がスペインの「マルカ」で報じられている。
「黙れ、と言っただけ。揉めることはない。試合中に熱くなっただけ。もっとも大切なことは我々がチームとしてまとまること。我々は次のラウンドに進む。選手のみならず、全てが自信を持たなくてはならない」
韓国、やりすぎ? 試合に勝ったんだからもういいのでは? 何はともあれ、この日両チームともにラウンド16への進出を決めたのだった。
(了)