人の備えだけしていない?ペットがいる家庭で行いたい防災対策
「地震大国」と呼ばれている日本。日頃から地震の備えを行っているご家庭も多いかと思いますが、動物と暮らすみなさんはペットの防災対策もきちんと行っているでしょうか?今回は犬や猫など動物のいるご家庭で考えたい防災対策について、詳しくご紹介します。
ペットの同行避難は可能?
令和6年8月8日に日向灘を震源とする大きな地震が発生し、気象庁より南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されたこともあり、ご自分の暮らしている地域での避難所がどこになるのかを確認している人は多いでしょう。
では、その避難所でペットの同行避難が可能かどうかは確認できているでしょうか?最近では、ペットは単なる愛玩動物ではなく「家族の一員」という認識の家庭も多く、ペットとの同行避難を許可する市町村も増えてきました。
とはいえ、アレルギーや保管環境などさまざまな問題もあるため、すべての避難所でペットの同行避難が認められているわけではないのが現状です。
どの避難所でペットの同行避難かできるのかは、市町村のホームページなどで確認できます。大きな災害が起きた際にペットとの同行避難を考えているご家庭では、まずはお近くの避難所がペットの受け入れ可能なのかを確認しましょう。
クレートやキャリーバッグの準備も万全に
同行避難についてお話していますが、同行避難では必ずしも同じ部屋でペットと過ごせるわけではありません。先ほどもお話したように、避難して来る人の中にはアレルギーを持っている方もいれば、犬や猫などの動物が苦手な方もたくさんいます。
一般的にペットの同行避難を許可している避難所では、ペットの保管場所を人の生活場所とは別で確保されていることも多いです。例えば、私の住んでいる場所の避難所は近くの小学校の体育館なのですが、ホームページを確認したところ「ペットはクレートに入れて西校舎の昇降口に」とありました。
仮に一緒の部屋でペットと過ごすことが認められているとしても、部屋の中を好きに過ごさせるわけではなくクレートやキャリーバッグに入れたままというケースがほとんどです。
つまり、犬でも猫でもどんな動物でも、同行避難にはクレートなどペットが入るためのアイテムが絶対必要と言っても過言ではありません。最近では、災害時など長時間の利用でもペットが快適に過ごせるように拡張できるタイプのものも多くありますから、いざという時にすぐ使えるような場所に準備しておきましょう。
防災リュックにはペットの備品も忘れずに
防災用品を準備しているご家庭も多いと思いますが、そこにペット用の備品もきちんと入っていますか?一緒に避難できたとしても、お世話グッズが揃っていなければ避難所での生活は難しくなってしまいます。
人のための食材などは支援物資として配給される場合もありますが、ペット用のものはあまりないと考えておいた方が無難でしょう。また、犬や猫は人以上に繊細なため、食べ慣れているごはんでなければ下痢や嘔吐につながる可能性も高いので注意が必要です。
避難用の防災リュックには、次のようなペット用品も準備しておくと安心ですよ。
- 食べ慣れたフードと食器
- マナーウェア・ペットシーツ・猫砂
- エチケット袋
- シャンプータオル
災害時はペット用品を扱う店やかかりつけの動物病院も営業しているかわかりません。普段使い慣れているアイテムや薬などは最低でも5日分は準備しておきましょう。
迷子札をつけておくのがオススメ!
最近はペットに首輪をつけるのを好まない飼い主さんも多いようですが、私個人の考えでは首輪や迷子札は日頃から装着しておくのがオススメです。
というのも、環境省の発表したデータによると、2011年に起きた東日本大震災では保護された犬のうち無事に飼い主の元に帰れた子は約4割ほどで、後の6割の子たちは飼い主不明のままだったそう。飼い主さんに返された子のほとんどは迷子札や鑑札を装着していたようなのです。
地震が起きてパニックになった犬や猫が外へ逃げ出してしまうのは、決して珍しいことではありません。「マイクロチップをつけているから」と考える飼い主さんも多いかもしれませんが、マイクロチップの読み取りは専用のリーダーがある施設でしか行えないのが現状です。
誰が見てもすぐに飼い主の身元がわかるよう、飼い主の名前と連絡先を書いた迷子札を普段からつけておくと安心かと思います。言葉を話すことのできないペットたちのため、万が一の時を想定してさまざまな準備をしておきましょう。
参考
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