デビットで2%還元 「りそなデビットカード〈プレミアム〉」はどれくらいおトク?
3月29日、りそな銀行がポイント還元に特化したデビットカードを発表しました。4月3日より取り扱いを開始します。
特徴として、利用店舗や利用額といった条件なしの「2%還元」をうたっています。どれくらいおトクなのか、りそな銀行の説明をもとに考察していきます。
デビットで条件なしの2%還元
クレジットカードとは異なり、支払い後すぐに銀行口座から代金が引き落とされるのがデビットカードの特徴です。最近はVisaなど国際ブランドがついたものが増えています。
りそな銀行では2017年から普通預金口座にデビットカードを標準装備。利用者は若年層の比率が高く、クレジットカードのように使いすぎを防げる点が好評といいます。
一方、不満点としては「他の決済手段よりポイントがたまりにくい」との声が多かったとのこと。そこで今回発表した「りそなデビットカード〈プレミアム〉」は、ポイント還元に特化したものと位置付けています。
特徴は「いつでもどこでも」ポイント2%還元という点です。コンビニなど特定の加盟店で5%還元といったカードはあるものの、利用場所や業種、利用額などの条件を問わず2%還元となるVisaデビットカードは国内初としています。
その狙いについて、「還元率の高さにあわせて支払い手段を変えるお客様は多いものの、それをやるのはわずらわしいとの声もあった。そこで加盟店を問わず、一律で2%還元とした」(りそなホールディングス DX企画部 部長の川辺秀文氏)と語っています。
また、目新しい機能として、一般カードから同じカード番号でプレミアムにアップグレード可能としています。これはVisaがカードの発行会社向けに提供する新サービスを活用したもので、国内のVisaデビットでは初めての事例とのことです。
たとえば継続的な課金サービスにデビットカードを登録している場合、カード番号が変わらないため、更新手続きは不要とのことです。
一般カードとの違いとして、「月会費」が税込700円かかります。年会費ではない点については、「サブスクのように月ごとの支払いが若年層のお客様にマッチすると考えた。少し使ってみていらないと思う場合は、元に戻していただける」(川辺氏)としています。
カードはリサイクル素材を採用し、デザインはチームラボによるもの。カード番号や口座番号は裏面に集約しています。完全ナンバーレスについても検討したものの、「番号は券面にあったほうがお客様の利用用途に沿っていると判断した」(川辺氏)としています。
2%還元で獲得できるのは「りそなクラブ」のポイントです。注意点として、他のポイントに交換する際のレートは、交換先によって異なります。
たとえばりそなクラブの100ポイントを交換する場合、dポイントやPontaポイントなら100ポイントになりますが、Tポイントは90ポイント、楽天ポイントは75ポイント、現金キャッシュバックは70円になります。
また、デビットが使える加盟店は増えているものの、まだ使えないところは残っています。三井住友の「Olive」では、デビットが使えない場合はクレジットモードでカバーするという荒技で乗り切っていました。
こうした他社の動きはりそな社内でも議論をしているとのことですが、「新しい機能を一気に搭載するよりは、お客様のニーズが高いものを1つずつ搭載していく。また、今回のデビットだけですべて終わるわけではない」(川辺氏)としています。
他社との違いとしては、アプリの使いやすさも強調。「アプリを見ていただくと分かるように、あまり宣伝広告を載せていない。利用体験を重視し、少ないタップ数で使えるようにしている」(川辺氏)と違いを挙げています。
デビットをメインにしたくなるカード
他社のデビットカードはどうかというと、ソニー銀行は年会費無料で、優遇プログラムの最上位ステージで2%還元となります。ただ、その条件はかなりハードルが高い印象です。
一方、楽天銀行のように年会費無料で1%還元のものもあります。りそな銀行のプレミアムは月会費が700円であることから、一定以上の金額を使えば元を取れることになります。
単純計算では、月間3万5000円を利用すれば700ポイントの還元となり、年会費無料で還元なしのカードと同等。月間7万円の利用なら1400ポイントの還元となり、年会費無料で1%還元のカードと同等になります。
主なターゲットとしては月間7万円超の利用が多い人になりそうですが、「2%還元」にはデビットをメインの支払い手段にしたくなる魅力を感じるところです。