内藤大助が井岡一翔へ期待「前人未到の5階級制覇を狙ってほしい」
12月31日大田区総合体育館で、日本人男子初の世界4階級制覇王者・WBO世界S・フライ級チャンピオンの井岡一翔(30=Reason大貴)が、
同級1位の指名挑戦者ジェイビエール・シントロン(プエルトリコ)と初防衛戦を行う。
この試合の試合の見所を、元WBC世界フライ級王者の内藤大助氏(45)が語った。
井岡一翔の強さ
内藤氏は過去の試合を見ながら、井岡の強さについて語ってくれた。
試合は、2019年の6月に行われたアストン・パリクテ(フィリピン)戦だ。
パリクテは戦績28戦25勝(21KO)2敗1分。
軽量級でありながらKO率が80パーセントと非常に高く、ファイタータイプの難敵だった。
内藤氏は、試合を見ながら井岡の動きを分析し、
「井岡選手は最初から最後までスタイルが変わらない。表情も変わらないので相手からしたら非常にやりづらい」と話した。
井岡選手の特徴は、ジャブを起点に自分のリズムで有利に戦うところにある。
非常に冷静で、相手の動きをよく観察しているので、パンチをあまりもらわない。
また内藤氏は「実は気が強い。相手にペースを奪われないために打ち返す度胸がある」と勝負強さを絶賛した。
動きが落ちない井岡を見て「後半になってもスピードがある。素晴らしい手数で、トレーニングをしっかりしている証拠」と話した。
通常後半になれば疲労で疲れてくるものだが、井岡の場合はそれを表情に出さない。
そのため相手からしたら、自分の攻撃が有効なのか分からず、これほどやりづらい相手はいないだろう。
試合の解説後に、大晦日に行われる初防衛戦について話を聞いた。
年末の試合
ーーー12月31日ジェイビエール・シントロンとの初防衛戦ではどの様な展開を期待していますか?
内藤:相手がアウェーなので、出てくる可能性が高いですね。
お互い上手な選手なので探り合って、徐々に手数を増やしていくと思います。技術の応戦になるのではないでしょうか。
ーーー先ほどのパリクテ戦を踏まえ、井岡選手の特徴については?
内藤:常に冷静でサイボーグのようです。相手に心を見せず、顔に出さない。そういう選手は一番やりづらいんです。
ーーー井岡選手の弱点についてはどうでしょう?
内藤:弱点ではありませんが、パワーがある選手ではない。というぐらいですかね。
ーーーもし現役時代の内藤さんが、井岡選手と試合するとしたらどの様に戦いますか?
内藤:まともに戦っていたら、いなされてしまうでしょう。フェイントを多用してカウンターを狙う。
戦ってみないと分かりませんが、その場その場で戦って、パワーボクシングでいきます。
ですが、先ほどもお話ししたように本当にやりたくない相手ですね。
ーーー年末の試合、KO決着はあると思いますか?
内藤:十分あると思いますが、KOを狙わないで流れでKOできたらベストだと思います。
KO決着を狙ってないところが井岡の強みでもあります。チャンスがあればいける選手なので、無理に狙わないでもいいのではないでしょうか。
ーーー井岡選手への今後の期待は?
内藤:前人未到の5階級制覇を狙ってほしいですね。井岡選手ならできると思います。
内藤氏は当日の井岡戦でも解説を行う予定だ。
スマホで観戦
今回の井岡一翔の初防衛戦は、TBS系列で18時頃から生中継される。
また、17時頃にセミファイナルの田中恒成戦、15時50分頃に女子世界戦の吉田実代戦が、動画配信サービスParavi(パラビ)でLIVE配信される。
内藤氏へのインタビューも、『井岡一翔戦』『田中恒成戦』をより楽しむためのコンテンツとして同番組で配信されている。
「多くの方に試合をより楽しんでもらいたい」という思いから、今回の「内藤大助の世界戦観るならココに注目」企画を立ち上げたようだ。
今まで、会場に足を運ばないと観れなかった試合も、今ではスマホで、どこでも観戦できる時代になった。
家にいなくても、手軽に試合が観れるのはファンとしては嬉しい。特にスポーツは、テレビ放送に加え、動画配信サービスが多くなった。
ボクシングを知ってもらう取り組みとして、現代ならではの様々な配信方法や、新しい企画で、ボクシングが盛り上がっていくことに期待したい。