オスロが欧州で最もグリーンな都市に選ばれる
ノルウェーの首都オスロが欧州グリーン首都賞2019を受賞した。
10万人以上の人口でなる都市が競い合い、最も環境改善に取り組む都市に毎年贈られる。
今年は14都市が参加し、ファイナリストには、オスロ、ルーヴェン(ベルギー)、ベクショー(スウェーデン)が残っていた。優勝したオスロは2019年度の大会開催地となる。
12部門中8部門でオスロは高得点を得ており、「みんなのための都市、まずは市民ファースト」というテーマで挑んだ。審査では以下のような点が評価された
- 売れている新車の30%が電気自動車
- 住民の90%が公共交通機関から300メートルほどの距離に住んでいる
- 住民の98%が緑のある場所から300メートルほどの距離に住んでいる
- 2016年に画期的な気候戦略を可決(目標:排出ガスを2020年までに50%、2030年までに95%減らす)
- 政治家と市民が問題解決に向けて話し合うための連絡手段の簡易化
オスロが最高得点を記録した部門は、気候変動における地域レベルでの取り組み、自然と生物の多様性、ゴミの処理、環境イノベーションと持続可能な雇用創出など。大会でのプレゼンテーションにはオスロ市議会、公共交通機関Ruter、アウトドアライフ協会DNTが参加した。
過去にはストックホルム、コペンハーゲン、ブリストル、リュブリャナ、エッセンが受賞。昨年の首都賞2018ではオスロはファイナリストに残っていたが、ナイメーヘン(オランダ)に授与された。
オスロの政策リーダーであるヨハンセン議長(労働党)は、車よりも市民が他の交通手段を選ぶようになったことなどが評価されたと受賞を喜ぶ。グリーン・イノベーション、グリーンな雇用創出や都市開発に今後ますます取りんでいくとして、「2019年に未来の環境解決策をお見せする」とプレスリリースで発表。
「トランプが気候変動を否定する一方、世界中の都市が気候・環境対策の道を前進し続けようとしている」とベルグ環境局局長(緑の環境党)は記した。
市民と受賞の喜びを分かち合うために、ボルゲン市長(左派社会党)は受賞直後、無料のアイスクリームを市庁舎前で市民に配布した。
- オスロが画期的な予算案を世界に提案 CO2を数値にした「気候予算」
- オスロは2019年に車なし、2030年に化石燃料フリーの街を実現できるか?
- 北欧5か国の首脳が共同声明「我々は次世代への約束を果たす」、パリ協定脱退のトランプ大統領へ
※ノルウェーはEU非加盟国だが、EU加盟国以外も参加可能
Photo&Text: Asaki Abumi