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H&Mがスウェーデンで年19トンの衣類を焼却処分 環境大臣が苦言

鐙麻樹北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事
デンマークだけではなく、スウェーデンでも焼却処分か(写真:ロイター/アフロ)

スウェーデンの大手ファッションブランド「H&M」が、2013年から毎年12トンほどの衣類を焼却処分していると、デンマークのテレビ局が報道した10月。

22日、スウェーデンの国営放送局SVTが、スウェーデンではそれ以上の量の衣類が焼却処分されていると報道した。

SVTの番組『Uppdrag』によると、都市ヴェステオースの焼却所では、2016年だけでおよそ19トンの衣類が処分された。この量は5万枚ほどのジーンズにあたるとされる。この焼却所は少なくとも5年間利用されている。

テレビ局は焼却された衣類を「新しい服」と表現している。H&Mの環境チーフであるBrannsten氏は、輸送中に傷ついたものや、化学物質が検出された品質に問題がある服が対象で、店頭で売ることができなかったと番組に説明。同社は2020年までには危険な化学物質の使用をやめる方向性で動いており、焼却対象の服の量は減少するとされている。

カロリーナ・スコーグ環境大臣は「どうして売ることができないほどの高いレベルの化学物質がでるのか不思議。生産過程において大量の化学物質を使用していることであり、問題だと思う」とSVTに話す。

SVTは、もし他国でも同じように焼却処分がされている場合、H&Mだけで毎年400トンの未使用の衣類が焼却されているのではと予想している。

H&MのBrannsten氏は「サステイナブルかどうかという点では、服の焼却には問題があることには同意する。企業としても対応していきたい」とテレビ局に答えている。

参照記事SVT

Text: Asaki Abumi

北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事

あぶみあさき。オスロ在ノルウェー・フィンランド・デンマーク・スウェーデン・アイスランド情報発信16年目。写真家。上智大学フランス語学科卒、オスロ大学大学院メディア学修士課程修了(副専攻:ジェンダー平等学)。2022年 同大学院サマースクール「北欧のジェンダー平等」修了。多言語学習者/ポリグロット(8か国語)。ノルウェー政府の産業推進機関イノベーション・ノルウェーより活動実績表彰。北欧のAI倫理とガバナンス動向。著書『北欧の幸せな社会のつくり方: 10代からの政治と選挙』『ハイヒールを履かない女たち: 北欧・ジェンダー平等先進国の現場から』SNS、note @asakikiki

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