南岸低気圧による思ったより少なかった雪 雪か雨かの判別では湿度が重要
南岸低気圧
三連休最後の2月13日夜から14日朝は、南岸低気圧の通過で太平洋側では雪が降りました(図1)。
しかし、雪の量は予報より少なめでした。
これは、気温予想より少し高くなり、降り始めが雨であったことから湿度も高かったために、雪に変わるのが遅かったからです。
このため、雨やみぞれで降った期間が長く、雪としては積もりませんでした(図2)。
雨雪判別は気温と湿度
降水現象が、雨になるのか、みぞれになるのか、雪になるのかは、気温だけでなく湿度とも関係しています。
気象庁が用いている地上気温と相対湿度による降水種別判別図によると、地上気温が同じ2度で
も、相対湿度が70パーセントなら雪、75パーセントなら雪か雨(雪の可能性が高いみぞれ)、85パーセントなら雨か雪(雨の可能性が高いみぞれ)、95パーセントなら雨となっています(図3)。
つまり、同じ気温でも湿度が低いと雪になりやすいのです。
これは、湿度が低いと降っている雪の結晶の一部が蒸発・昇華しやすくなり、その結果として雪の結晶から熱が奪われて冷えることから、0度以上の空気であっても解けないで地上に達するからです。
このことは、今年1月30日に行われた気象予報士試験の正誤問題でも出題されています。
続く寒さ
令和4年(2022年)は、年の初めから寒い日が続いています。
最低気温が氷点下の冬日は、気温を観測している全国914か所の50パーセント以上の日が続いていますし、最高気温が氷点下の真冬日も20パーセント前後の日が続いています(図4)。
なお、真冬日は2月6日に全国の観測所の37パーセント、冬日は2月7日に全国の観測所の83%で観測しています。
立春寒波によるものですが、今冬は、立春寒波よりクリスマス寒波の方が強く、真冬日は12月26日に407地点(45パーセント)、冬日は789地点(86パーセント)で観測しています。
気象庁の一か月予報によると、2月19日から25日は、東日本から西日本では、気温が平年より低いとなっています(図5)。
来週は、西日本を中心に厳しい寒さが再び訪れる見込みです。
福岡の最高気温と最低気温の推移を見ると、2月中は、平年よりかなり気温の低い日が続きます(図6)。
東京も2月中は、平年より気温の低い日が続きます(図7)。
2月15日、20日、26日も南岸低気圧による雪が予想されています。
令和4年の2月は、太平洋側の雪が繰り返されており、気温も低い日が続き、暖かくなるのは3月になりそうです。
図1、図3、図5の出典:気象庁ホームページ。
図2の出典:ウェザーマップ提供。
図4の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図6、図7の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。