あと5票で殿堂入りを逃したワグナーは来年の投票が最後。イチローらとともに殿堂選手となるのか
今回も、ビリー・ワグナーは、殿堂に入れなかった。エイドリアン・ベルトレー、トッド・ヘルトン、ジョー・マウアーの3人に次ぐ284票を得たものの、殿堂入りとなる得票率75%以上には、5票足りなかった。
ワグナーの「落選」は、これが9度目だ。記者投票にかかるのは、次回が最後になる。これまでの得票率は、10.5%→10.2%→11.1%→16.7%→31.7%→46.4%→51.0%→68.1%→73.8%と推移している。
来年度の候補には、2019年までプレーした選手たちが、新たに加わる。そのなかでも、イチローとCC・サバシアは、最初の投票で75%以上の票を得るだろう。10度目のワグナーも、彼らとともに殿堂入りするのではないだろうか。
今世紀に入ってから、得票率70%以上&75%未満は、延べ14人を数える。カート・シリングは2度だ。ワグナーの前の13人中、その次の投票で得票率75%に届かず、殿堂入りできなかったのは、シリングしかいない。直近のヘルトンは、前回が72.2%、今回は79.7%だ。
シリングにしても、8度目の2020年度と9度目の2021年度を比べると、得票率は70.0%から71.1%に上がっている。9度目の投票が終わった後に、自身を候補から外すことを要求しなければ、10度目の投票で殿堂入りしていたかもしれない。
もっとも、他のクローザーたちと比べると、ワグナーは、殿堂入りするかどうかのボーダー・ライン、もしくはそのすぐ下にいるようにも思える。例えば、ワグナーの通算422セーブは、歴代6位に位置する。それよりも多くのセーブを挙げた5人のうち、殿堂入りは3人、記者投票で75%以上の票を得たのは2人だ。
652セーブのマリアーノ・リベラは、最初の投票で得票率100%を記録した。601セーブのトレバー・ホフマンは、3度目の投票で得票率75%を超えた。67.3%→74.0%→79.9%だ。478セーブのリー・スミスは、得票率75%に届かず――最高は50.6%――その後、ベテランズ・コミッティによる選出で殿堂入りした。
437セーブのフランシスコ・ロドリゲスは、今回の投票が2度目。これまでの得票率は、10.8%と7.8%だ。424セーブのジョン・フランコは、最初の投票で得票率5%に届かず、次の投票の候補から外れた。
なお、リベラや今回のベルトレーのような、得票率が高かった殿堂選手については、こちらにリストを記載した。