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[SDGs]サステナブルファッションのために。服を大切に長く着るために私たちができること

平島利恵洗濯研究家
未来のために今できることを始めませんか?

洗濯研究家の平島 利恵です。「サステナブルファッション」という言葉を聞いたことはありませんか?ファッション業界では、洋服の大量生産・大量消費、大量廃棄などが環境に与える負荷が問題となっており、これを見直し、サステナブル(持続可能)なファッションを目指す取り組みが始まっています。

国内では47万トンもの服が廃棄されている

日本国内でも服の大量消費・大量廃棄は大きな問題となっています。

衣類の国内新規供給量 計79.8万トン(2022年)に対し、その約9割に相当する計73.1万トンが事業所及び家庭から使用後に手放されると推計。

このうち、廃棄される量は計47万トン(64.3%)
リサイクルされる量は計12.7万トン(17.4%)
リユースされる量は計13.3万トン (18.1%)

【引用:環境省 令和4年度 ファッションと環境に関する調査業務(外部リンク)】

服一着作るのに必要な水は2,300L

洋服を作るには、様々な資源を消費します。

例えば水。環境省によると、綿や羊毛などの原材料の生産、染色、工業用水などとして、服1着の生産に2,300Lもの水を消費すると推計されています。

【出典:環境省 サステナブルファッション(外部リンク)】

長く着られる服を選ぶ

水などの環境負荷だけでなく、児童労働・低賃金労働など様々な取り沙汰されている中、消費者側は「長く着られる服を選ぶ」という選択をする方も増えています。

高品質のもの・流行に左右されないものなど、長く着られるものを選んだり、環境負荷の少ない素材(オーガニックコットンなどの植物系自然素材やリサイクル繊維等)を選んだり、認証マークがついたものを選ぶなど、エシカル消費に取り組むことも大切です。

今持っている服を大切に長く着るためにできること

連続着用を減らす

衣類は着用と洗濯のたびに劣化します。着用後は洗濯し、2~3日休ませることで、劣化を遅らせることができます。
スーツ・ジャケット・コートなど、頻繁に洗濯できないものは、着用後にブラッシングをし、風通しのよいところに一晩干しておくことで、衣類を長持ちさせることができます。

下着やインナーを着用する

洋服が肌に直接触れると、汗や皮脂の汚れにより生地が傷む原因になります。下着やインナーを着て、衣類に汚れを蓄積させないことで、衣類を長持ちさせることができます。

※インナーの役割は「夏の臭い・黄ばみはインナーで予防」もご覧ください。

汚れをしっかりと落とす

着用後に汚れをしっかりと落とすことで、衣類の傷みを抑えることができます。
汚れはついてからの時間が経つほど、落としにくくなります。
着用後は、24時間以内に洗濯し、臭いやシミを予防しましょう!

※汚れをしっかり落とすお手入れ方法は「洗い上がりが変わる洗濯機のコース選び」もご覧ください。

洗濯後は早く乾かす

衣類の繊維が濡れた状態だと、ニオイが繊維に定着しやすくなります。また、濡れた状態で放置することでシワの原因にもなります。洗濯後はすぐに洗濯槽から取り出し、干しましょう。

※おしゃれ着のシワを防ぐお手入れ方法は「洗濯物のシワを防ぐ3つのコツ」もご覧ください。

服の再利用も視野に

着なくなった服の店頭回収をするアパレルブランドも増えています。回収された服はリサイクルされ、新たな服に生まれ変わったり寄付をされたりします。

着なくなった服をゴミとして廃棄するだけでなく、リサイクル・リユースするという選択肢を持つことも大切です。

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洗濯研究家

2004年武庫川女子大学を卒業。株式会社リクルートに入社し、株式会社マクロミルへ転職。東日本大震災をきっかけに布おむつ専門店を立ち上げ、EC事業を展開。2013~2015年NY在住中に揉み洗い不要のつけ置き洗剤の着想を得て帰国し、洗濯洗剤と布ナプキンプランド"Rinenna"を展開。現在、洗濯研究家として「洗濯の正攻法を伝授する」ことを自身のミッションに掲げる。TV、雑誌等のメディアへの出演多数。四児の母。クリーニング師。

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