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そろそろ身の回りの整理を考えている「親へのプレゼント選び」で大切なこと

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

自分らしい暮らしの作り方、藤原友子です。

今日は母の日、6月には父の日もあります。大切な人に贈るプレゼントを選ぶ時間は楽しいものです。

しかし、片づけレッスンで一般家庭へ伺うと、人からのプレゼントに困っているお宅もあるのです。

そこで、今日は大切な人へのプレゼント選びはどうしたらよいかについてです。

私が「母の日」に母にプレゼントするもの

私は、毎年母の日のプレゼントはおいしい食事をプレゼントしています。ここ数年は、母も忙しく、コロナ禍ということもあり一緒に食べに行くことができず、おいしい食べ物のプレゼントにしてきました。

なぜ私はプレゼントを食べ物にするのか?理由は3つあります。

1.一緒に楽しみたいから
2.片づけに困らないようにするため
3.好みがわからない

これまで、日傘、ストール、ハンカチ、母の日のギフトっぽいモノをプレゼントしてきましたが、残念ながらあまり愛用している姿を観ることがなかったので、10年ほど前からは食べ物になったような気がします。

また、長年使った婚礼ダンスを片づけ、もっとシンプルにコンパクトに暮らしたいという母の思いに沿うように、収納場所を取らない(とってもすぐに消費される)食べ物になりました。

身の回りのモノの整理が気になる年代が抱える問題

私の親は70代ですが、60代以降の方の片づけのお手伝いに伺うと、プレゼントしてもらったけど、残念ながら使いにくかったり気に入らなかったモノがあった場合、とりあえずどこかにしまい込み、かといって新品だから捨てることもできず、モノがどんどん増えていく様子を何度も見てきました。

身の周りの様々なことを考える年齢です。本人がそろそろ身の回りを整理しておきたいと思っても、片づけにはかなりの気力体力がいります。

「片づけたい」と思うのに、人から頂いたモノを粗末することはできないと思っているので、なかなか行動ができずにいる人が多くいるのです。

だから私は、安易に形のあるモノをプレゼントをして、母の家のモノを増やすわけにはいかないと思っていますし、もしモノをプレゼントをするなら、よくコミュニケーションをとり本当に必要なモノを選んであげたいと思っています。

モノではなくコトのプレゼントも

また、食べものや消費されるモノをプレゼントするのではなく、コト(体験)をプレゼントするのも素敵だと思います。

旅行、エステ、マッサージなどがその例です。食べ物ではなく食事に誘ったりするのもコトのプレゼントでしょう。(これまで、片づけのサービスを母親にプレゼントした方もいました)

もう20年くらい前でしょうか、日産セレナのCMで「モノより思い出」という言葉を聞いたときは、私は大きな衝撃を受けたのを覚えています。

近年はモノ消費より、コト消費が注目され、体験や経験の価値が重視されています。

モノではなくコトのプレゼントを選ぶことは、「経験などによって得られる濃厚な時間」「大切な人と過ごす喜び」などの目に見えない贅沢なプレゼントになるのかもしれません。

モノはモノの良さ、コトにはコトの良さがある

母の日に、子どもがプレゼントしてくれるお母さんのにがおえなどはうれしいものです。私も子どもが幼稚園で作ってくれたプレゼントは大事に今でも飾っています。

モノはいつまでも手元に残り、手にするたびに、目にするたびに贈り主のことを思い出すことができるし、

コトは、思い出として心の中に残り、記憶はだんだん薄れていくものですが、形として存在しないため、収納場所を考えたり用意する手間はかかりません。

団塊の世代と呼ばれる人たちはモノを所有して楽しむという時代を経験しましたが、現代はSDGsシェアリングエコノミーという言葉に代表されるように、ただモノを所有するのではなく、モノの生産過程や生産者の思いを知ったうえで、じっくりモノを選ぶの楽しんでいる人も増えていると聞きます。

プレゼントを選ぶ時は、贈る相手のことを思う時間です。

もらった人が管理に困らないようプレゼントはすべて「コト」にするのが一番いいというわけではなく、親のこれからのことを考えながらバランスよく思いのこもったプレゼントを選んでほしいと思います。

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選ぶ暮らしラボ 藤原友子(ふじわらゆうこ)

1975年生まれ 大分県在住 結婚後片づけを始める。長男との片づけバトルでモノを「選ぶ」ことの重要性に気づき、モノや暮らしを「自分軸で選べる人」を増やすために活動中。

二男二女の母で「いつもキレイではないが、すぐに片づく家」で暮らしている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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