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アニメアワード2021『呪術廻戦』がアニメ・オブ・ザ・イヤー受賞

飯田一史ライター

200以上の国や地域でアニメやマンガを含む360度全方位からのコンテンツ体験を提供するクランチロールは、米国時間2月19日、前年のベストアニメを表彰する第5回「クランチロール・アニメアワード2021」の受賞作品を発表。

受賞作品は次の通りだ。

● アニメ・オブ・ザ・イヤー 『呪術廻戦』

● ベスト・アニメーション 『映像研には手を出すな!』

● ベスト・ファンタジー 『Re:ゼロから始める異世界生活 2nd season』

● ベスト・ドラマ 『フルーツバスケット 2nd season』

● ベスト・コメディ 『かぐや様は告らせたい? ~天才たちの恋愛頭脳戦~』

● ベスト・ガール 四宮かぐや『かぐや様は告らせたい? ~天才たちの恋愛頭脳戦~』

● ベスト・ボーイ 日向翔陽『ハイキュー!! TO THE TOP』

● ベスト・プロタゴニスト(主人公)カタリナ・クラエス『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった...』

● ベスト・アンタゴニスト(敵役) 両面宿儺『呪術廻戦』

● ベスト・ファイトシーン デク vs. オーバーホール『僕のヒーローアカデミア(第4期)』

● ベスト・スコア Kevin Penkin『神之塔 -Tower of God-』

● ベスト・ディレクター 湯浅政明『映像研には手を出すな!』

● ベスト・キャラクター・デザイン 伊藤麻由加『地縛少年花子くん』原作:あいだいろ

● ベスト・カップル 由崎星空 と 由崎司『トニカクカワイイ』

● ベスト・VA(ボイスアクション)パフォーマンス(日本語) 小林裕介『Re:ゼロから始める異世界生活 2nd season』ナツキ・スバル役

● ベストVA(ボイスアクション)パフォーマンス(英語) Zeno Robinson『僕のヒーローアカデミア(第4期)』ホークス役

● ベスト・オープニング・シークエンス(OP) Wild Side by ALI『BEASTARS ビースターズ』

● ベスト・エンディング・シークエンス(ED) LOST IN PARADISE feat. AKLO by ALI『呪術廻戦』

アニメアワードは、審査委員会が選出するノミネート作品の中から、ファンも投票に参加。

2021年1月15~22日に実施されたファン投票では、2020年の1100万票を大きく上回る約1500万票が200を超える国と地域から投じられた。投票数が最も多かった国ベスト3は、アメリカ、ブラジル、メキシコ。

少年マンガ誌発(とくに「ジャンプ」)の作品と「小説家になろう」発の作品がほとんどを占める。

日本で人気があっても海外で人気が出ない作品は一部あるが、海外で人気のもので日本で人気がない作品はないと言っていいだろう。国によって大きく制度や風習が違うであろう学校を舞台にしたものでも人気があるのが興味深い。『自縛少年花子くん』はいわゆる「学校の怪談」モチーフで、同様の怪異現象が日本以外の国で語られているとは思えないのだが、人気にはあまり関係がないようだ。

クランチロールはソニーによる買収が発表されており、ソニー傘下のアニプレックスなどと組んでの日本発のアニメ、ゲームの国際展開が見込まれている。

視聴データやこうした投票結果を踏まえて「日本を舞台にした学園ものなんか海外ではうけないだろう」といった思い込みを排した戦略によって、意外な作品が意外な国まで届く未来を期待したい。

ライター

出版社にてカルチャー誌や小説の編集者を経験した後、独立。マーケティング的視点と批評的観点からウェブカルチャー、出版産業、子どもの本、マンガ等について取材&調査してわかりやすく解説・分析。単著に『いま、子どもの本が売れる理由』『マンガ雑誌は死んだ。で、どうするの?』『ウェブ小説の衝撃』など。構成を担当した本に石黒浩『アンドロイドは人間になれるか』、藤田和日郎『読者ハ読ムナ』、福原慶匡『アニメプロデューサーになろう!』、中野信子『サイコパス』他。青森県むつ市生まれ。中央大学法学部法律学科卒、グロービス経営大学院経営学修士(MBA)。息子4歳、猫2匹 ichiiida@gmail.com

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