夏と冬、それぞれ相対する季節のはずなのに、共通して美味しいと感じられるものってありませんか？実は私、レモンやポン酢をといった酸味を強く感じられるような柑橘類の味がその代表格。

暑い日にはさっぱりと、寒い日には元気が湧いてくるような、それでいて温かい飲み物にも合うような素材の柑橘類。勿論それは和菓子にも通ずるものがありまして、柚子やレモンといった果実がより一層美味しく感じられます。

広島県廿日市市宮島町にお店を構える「藤い屋」さんはもみじ饅頭の大手といっても過言ではないお店なのですが、フルーツを使用した洋風なテイストを漂わせる和菓子も得意分野。今回は夏、冬共に冷やしていただきたくなる「淡雪花」をご紹介。

雪の結晶を彷彿とさせるパッケージはもとより、ふわふわと新雪を纏ったようなギモーヴはシーズンムード満載！これほどまでに幻想的なギモーヴはなかなか類を見ません。大きさとしては、一般的なマカロンと同じ程度かやや大きいくらいかと思います。

食感もユニークで、しゃり、ふわ、もちっとした三段階の食感から構成。お餅を凍らせて削った氷餅という食材を身に纏ったマシュマロが閉じ込めているのは、広島県産レモンのゼリー…ではなく、琥珀糖。寒天を溶かし乾燥させ、すりガラスのような質感に。

まろやかでふんわりとした甘味のギモーヴは、ハラハラとした氷餅としゃりしゃりっという琥珀糖の和の食感との組み合わせにより、不思議と和テイストのお菓子に。琥珀糖なので中は非常に透明度が高く、きらきらと澄んだ光を放つ寒天もポイント。ゼラチンを使用したゼリーの弾力とはまた異なる魅力にはまってしまう方も多いのではないでしょうか。

季節柄チョコレートやいちごを使用したお菓子をプレゼントに選びがちですが、菓銘も見た目も季節感に溢れる和スイーツを取り入れて、周りと差をつける…なんてことも、できるのではないでしょうか。