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気候変動が加速 企業の「テレワーク」導入は待ったなしの状況だ

横山信弘経営コラムニスト
テレワークは自律型人材に向いている。(写真はイメージ)(写真:アフロ)

■ いっこうに普及しないテレワーク

超大型の台風19号が、この3連休に日本列島を直撃。12日夕方から夜にかけて東海から関東に上陸する見込みです。

もし週末ではなく、平日なら通勤ラッシュによる交通混雑は避けられなかったでしょう。

企業はもっと真剣にテレワーク導入を考えるべきです。

2018年の総務省「通信利用動向調査」によると、テレワーク導入企業はまだ2割弱。しかも、導入しているだけで実際にテレワークを利用するワーカーは「5%未満」ですから、まだまだ普及しているとは言い難いのが現状です。

■ 政府はテレワーク導入を後押し

来年の東京オリンピック期間中、首都圏の乗客数が10%以上増える可能性があり、都市機能を維持するため、総務省、厚労省、内閣府など関係省庁は、開会式にあたる7月24日を「テレワーク・デイ」に指定しています。

2017年からは「テレワーク・デイズ」と題して、7月24日に企業・団体にも積極的なテレワーク実施を呼びかけています。2017年は約950団体、6.3万人、2018年は、1682団体、30万人以上が参加しました。

大手企業では、リコーが今年6月20日、オリンピック開催期間に本社オフィスをクローズすることを発表。本社勤務の従業員約2000人が、テレワークに切り替えます。

通常業務をテレワークで実施可能な従業員は限られています。テレワークしたくてもできない企業のほうが多いわけですから、このように代替可能なワーカーは積極的に利用しましょう。

■ テレワークに必要な準備

私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。業務効率化のために、いろいろな経営者からテレワークについても相談を受けます。

相談を受けて、私が実感するのは、テレワークを勘違いしている経営者がとても多いこと。

セキュリティ対策した通信環境の整備、ノートパソコンなどのモバイル端末を貸し出せば、すぐにでもテレワークができると思っている人が実に多い。経営者のみならず、現場責任者もそう。

とんでもない。何の教育もせずテレワークをスタートさせたら、きわめて業務効率は悪くなります。

私は現場に入るコンサルタントですから「きれいごと」は書きません。普通にオフィスワークできるのであれば、絶対にオフィスにいたほうが、生産性の高い仕事ができます。

ですから、テレワークを導入するなら、利用者の働き方に関する考え方を変える必要があります。

日本は、人に仕事をつける「メンバーシップ型」の雇用をしている企業が大半です。しかし、テレワークで仕事をするなら、仕事を人につける「ジョブ型」の働き方に変えなければなりません。

また、時間と成果のバランスを細かくセルフマネジメントできる「自律型人材」でなければダメ。「指示待ち」のクセがある人にテレワークはさせられません。

現場マネジャーの意識も変えるべき。オフィスにいるなら「人単位」でマネジメントできますが、テレワークなら「仕事単位」で管理すべきです。

このように、テレワークという働き方をするのなら、インフラ環境を整えるだけでなく、考え方や価値観も変えることが重要です。

気候変動が加速している現代、働き方改革や、オリンピック対策のためだけでなく、災害対策のためにも、企業のテレワーク導入は不可欠です。組織文化として根付かせるには時間がかかりますから、今すぐにでも、企業は対応を検討すべきでしょう。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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