【我が子の言動を指摘されて焦ってしまう方へ】幼児教育講師が伝える不安な気持ちの払拭方法
こんにちは!幼児教育講師のTERUです!
今回は『自分の子どもへの問題行動の指摘』をテーマにお話しさせていただきます。
【指摘されたときの不安感】
『周りの人から自分の子どもの問題行動を指摘されて不安になってしまう。悩んでしまう。焦ってしまう』というご相談は最近とても多いです。
幼稚園や保育園の先生からの言葉。ママ友からの言葉。家族からの言葉。いろんなケースがあると思いますが、周りから子どもの言動を指摘されたり、周りができているのに我が子ができていない点を指摘されるのは、やはり焦ってしまいますし「何かしないとまずいのでは!私の子育てに問題があるのでは!」と不安になってしまいますよね。
そんなとき、まずは落ち着いてこの考え方をしてみてほしいと思います。
イメージをしやすくするために『子どもが幼稚園や保育園、小学校の先生から、周りと協調性を持って行動できない。先生の言うことを聞けない。ということを指摘された』というシチュエーションでお話ししていきます。ただ、このケースではなくても共通する考え方だと思いますので、ぜひ皆さんのお子さんのケースに置き換えて考えてみてくださいね。
①指摘されている面だけで子どものすべては決まらない
僕たちは子どもたちがそれぞれ色んな個性を持っていることを知っています。そしてその個性は大人が選ぶものではなく、子どもが持って生まれたり、自ら育んでいくものだと知っています。それを健やかに伸ばしていくことがその子の本来持っている個性や特性を活かしていく方法だということも知っています。
ですが、その個性が集団生活の中での捉えられ方によっては『問題』に変わってしまったりしますよね。しかしその問題の多くは、年齢が上がっていき自制心が育まれていけば自然と解決するものだったりします。さらにもっと言えば、その問題は後々、大きな長所として裏返ってその子の大きな武器になったりします。
何を言いたいのかと言うと、周りからの指摘というのはその子の中のほんの一部分だけを見て言われる指摘であって、その子の全てを決めるものではない!ということです。
お子さんが、幼児期に集団の中では問題と捉えられてしまうような個性を持っているような親御さんは、きっと周りから何かしらの指摘をされることが多いことと思います。親自身もがっかりしたり、悩んだりすることも多いと思いのではないでしょうか。
ですが、子どものたった一面からしか見ていない指摘では子どものすべては測れません。当事者の方にはきれいごとに聞こえるかもしれませんが、この考え方から始めてあげないと、一番苦しむのは子どもです。どうしようもない自分の個性で全てを評価されてしまっては、これほどかわいそうなことはありません。まず親御さんだけではなく、子どもに関わる大人みんなが「今自分が見ている子どもの姿はたった一面であり、それでこの子の全てを決めつけない」そんな意識で関わってもらえると嬉しく思います。
②指摘されている短所を裏返して長所や成長だと考えてみる
①の考え方をしっかりと持った上で、次に大切にしていきたい考え方はこれです。これは『ポジティブ変換』という考え方です。例えば、
- 駄々をこねる=我慢と粘り強さの成長のチャンス
- 嘘をつく=想像力と知恵がついてきた成長の証
- がんこ・こだわりが強い=自分を持っているという長所
- すぐに飽きる=興味の幅が広いという長所
- 落ち着きがない=好奇心旺盛の証
- 甘えん坊=外で頑張る力の補給中
- 口答え=強い意志と自己主張ができる練習
- いたずら=壮大な実験
- 物をすぐ分解したり壊したりする=好奇心や探究心がある証拠
- 落書き=枠を超えた想像力を伸ばす練習
- ケンカ=主張と問題解決経験のチャンス
- 家での問題行動=親への信頼の証
このように一見子どもの問題と見える言動も、裏を返すと長所や成長のチャンスだということが見えてきます。
今回の『子どもが周りと協調性を持って行動できない。先生の言うことを聞けない。』というケースも、協調性のある行動が苦手ということは裏を返せば、ちゃんと自己主張ができたり、自分の意志を持っているという長所ですし、何か1つのことに熱中できる長所かもしれません。そのような形でポジティブ変換をしてみると、ただ単にこの短所を直さなきゃ!という目線から、この長所を摘まないようにしよう。という目線が加わっていきます。
このバランスは正直非常に難しいのですが、はなから悪いことだと決めつけて大人の対応を考えるのと、長所でもあることを理解して対応を考えるのでは、僕は雲泥の差があると思っています。何よりこの考え方ができると親自身の心持ちも変わりますし、子どもも短所だと指摘されてきたことの裏の長所を認めてもらえることで自己肯定感も育まれていきます。
③その子なりの発達スピードを見守る
やはり幼児期や小学校低学年くらいはどうしても成長スピードに個人差があります。それは生まれ月がどうとかもありますが、それとは関係なく必ず子ども一人ひとりの発達スピードは違います。
日本での多くは同年齢の子ども同士で集められて生活をするという環境ですので、その時の発達スピードによってできることできないことには当然差があるわけです。これは優劣ではなく発達スピードの個性です。
だからこそ「周りの子はできているのにうちの子はまだできない」ということに一喜一憂し過ぎるというのは本質的ではなく『その子なりの成長をその子のペースで見守ってあげる』というのが一番のサポートなわけです。とはいえそれが難しいのもわかります。来年幼稚園だから。来年から小学生だから。子どもには発達スピードとは関係なく何かしらのステージUPのタイミングが迫ってきます。これに焦ってしまうから、その子の発達スピードを許容できなくなってしまうんですよね。
ですが、これだけはぜひ理解してあげてほしいです。
『子どもがその子のペースの中で最も早く成長していくためには、大人が焦らないこと』
子どもの発達スピードに焦ると多くの方はどうなるでしょうか?
最初はお子さんのためにできるサポートを前向きに考えたり、周りの相談してみたりと最善策を考えて何かアクションを起こしてみるのだと思いますが、この子のために!と思って動けば動くほど、それが上手く行かなければ『イライラ』や『がっかり』といった感情に変わってしまうのが人間です。そして叱ったり、指示が多くなったり。
どうしようもない『発達スピード』ということだけなのに、大人から問題扱いされて、大人のイライラやがっかりを感じ、叱られ・・・それで健やかに成長していけるでしょうか?おそらく難しいですよね。そうやって親が周りの大人と一緒に子どもを叱責する立場になってしまうと子どもは行き場が無くなってしまいます。
なので、私が言いたいのは『焦らないことが実は一番最善のサポート』ということなんです。自分の成長スピードがどうであれ、大人が「大丈夫」という姿でドンと構えてくれていることほど、子どものとって安心できることはありませんし、そんな安心があるからこそ子どもは自分の成長スピードの中で最速で健やかに成長していけるわけです。
いかがでしたでしょうか?
ぜひこのことを頭の片隅に置いて、周りからの子どもへの指摘について考えてみてほしいと思います。
ちなみに発達スピードに関しては、発達障害などのケースであれば、それに合わせた対応が必要なこともありますから、心配な場合は専門機関を頼ってみてくださいね。
皆さんの子育てを応援しています!