一人泊でも2食付6,800円!ザブザブあふれる掛け流しぬる湯「大塚温泉 金井旅館」を混浴も含めて紹介
温泉ライターの泉よしかです。
私が群馬県の「大塚温泉 金井旅館」に宿泊を決めたのは、ぬる湯の源泉かけ流しの一軒宿であり、一人泊が可能であり、電車とバスで比較的容易にアクセスができたから。そして1泊2食6,800円という破格の宿泊料が決め手でした。
実は以前からずっと大塚温泉には入ってみたかったのですが、やはり混浴が有名なお宿ということで、日帰り入浴の時間帯に女性は入りにくいと思い、どうせなら宿泊してゆっくり入りたいと考えていたことも理由の一つです。そのあたりも含めて詳しくレポートしたいと思います。
中之条駅からバスでアクセス
公共交通機関で「大塚温泉」に向かう場合は、中之条駅から2時間に1本程度の路線バスで約10分。大塚バス停から徒歩8分ほど。行きは上り道になるので、息を切らせながら到着しました。
中之条駅までは上野・赤羽から特急も出ていて、距離的には草津温泉や四万温泉より近く便利です。しかしこの辺りは大きな観光名所もなく、知る人ぞ知る温泉といった雰囲気。ひたすらお湯と戯れて、湯治をするにはぴったりかもしれません。
というか、お風呂に入るか部屋でごろごろするかしかできないかもしれません。逆に新鮮です!
宿泊料が安いので期待していなかったが、思った以上に綺麗な客室
日帰り入浴の受付は、裏手の建物のトタン屋根の下で行っていますが、宿泊受付はベージュ色の外壁の新館で行います。
玄関を入ると、可愛らしいわんちゃんのお出迎え。名前はハッピーちゃん。
大塚温泉は約600年の歴史を持つ温泉で、源泉温度は32.8度とかなりぬるめ。客室は新館が7室。私が今回予約したのもこの新館です。
他に旧館があり、そちらは長期湯治の常連さんなどが素泊まりで使うことがあるというお話でした。
新館の客室は1階と2階。私が泊まったのは2階の紅梅というお部屋です。
お部屋に通されてびっくり。とても綺麗です。
正直なところ、2食付きで一人6,800円と聞いた時、もっと古くてボロボロの部屋を覚悟していました。装飾などはとくにないシンプルなお部屋ですが、お値段を考えると十分すぎるほど快適というところ。
しかもトイレ付きのお部屋です。この価格帯では素泊まりだとしてもトイレは共同のところが大半。お部屋にシャワートイレが付いているのは、それだけで感激するではありませんか。
洗面所やテレビもあります。ただしエアコンはありませんでした。まだ熱い時期だったので、すぐにお部屋の扇風機のスイッチを入れました。
また冷蔵庫はお部屋にはありませんが、共同で使用できるものが階段下にありました。
大塚温泉のお風呂は男女別内湯、混浴露天風呂、混浴岩風呂の3ヶ所
「大塚温泉 金井旅館」のお風呂は3ヶ所あります。「男女別の内湯」、その内湯から外に出たところにある「混浴露天風呂」、独立した脱衣所がある「混浴岩風呂」の3つです。
宿泊者が館内から行く場合は、1階の廊下の突き当りが男女別の内湯+混浴露天風呂の脱衣所の入口で、その入口の手前右側のドアから外に出た旧館にあるのが混浴岩風呂の脱衣所です。
なお、日帰り入浴の場合は直接、上の画像の場所に着くと思います。右のドアから入ると混浴岩風呂、左のドアから入ると男女別の内湯+混浴露天風呂です。
日帰り入浴の営業時間は朝9時から夜8時まで。では宿泊者の利用時間はというと、混浴岩風呂が朝5時ぐらいから夜9時ぐらいまで、男女別内湯が朝7時ぐらいから夜8時ぐらいまでとのこと。
あまり変わらないように思えますが、おおむね朝の2~3時間ぐらいは宿泊者専用といえそうです。
宿泊者の朝の利用時間があいまいなのは、準備ができ次第という感じで、お湯が貯まりきっていないこともあるようです。この辺は臨機応変に。
男女別の内湯には、源泉そのままのぬる湯と温度を変えた2つの加温浴槽
まず男女別の内湯から行ってみましょう。内湯は男湯も女湯も基本的に同じ作り。違いはタイルの色ぐらいだそうです。
お部屋の綺麗さにも驚きましたが、この内湯の綺麗さや広さにも驚きました。シンプルですが明るく使いやすい内湯です。洗い場にはシャワーとリンスインシャンプー、ボディーソープなどが備え付けられています。
そしてお湯が素晴らしい!
無色透明のアルカリ性単純泉ですが、鮮度が良いのか細かいアワがたくさん肌に付きます。アワを払う時のふわっとした感触が心地よい。
33度という温度は体温よりも低いのですが、まだ暑い季節だったためちょうどよいと感じました。いつまでもずっと入っていられそうです。
ご主人に温泉について伺ったら、ぬる湯は熱いお湯と違って体に負担が少なく、長い時間入っていられるぶん血流がアップし、疲労をやわらげてくれると。なるほど、しっかり実感できます。お湯そのものにも癒されます。
またぬるいお湯はみんな長時間入るため、一般的にお湯が汚れやすい傾向にあるそうですが、大塚温泉は湯量が豊富なので、浴槽内に汚れが滞留する間もなく、どんどんと掛け流してくれるそうです。
ちょっと寒いなと感じたら、隣の加温浴槽に入ればOK。この温度差がまた気持ちよくて、何度も交互浴してしまいます。
加温浴槽が38度と40度と2槽あるのもポイントで、好みで選んだり、じゅんぐりに入ったりして、変化を楽しむこともできちゃいます。
暖かい季節限定の露天風呂、要望があれば涼しい日にお湯を入れてくれることも
男湯内湯からも女湯内湯からも、直接混浴露天風呂に出ることができます。まるでプールのように広い。でもお風呂だから泳がないでくださいね。
屋根付きの露天風呂なので雨の日でも心配いりません。
水着での入浴は禁止ですが、バスタオル、湯あみ着着用で入ることができます。特に男女別内湯から直接来られるので、使用後のバスタオルや湯あみ着を内湯でゆっくり外して絞れるのはありがたい作り。
露天風呂は暖かい季節専用で、寒くなればお湯を入れません。もともと33度ぐらいの源泉なので、快適に入れる季節は夏前後。
ただし、春は3月ぐらいから、秋は11月ぐらいまで入りたいというお客さんはいるそうで、前もって連絡してくれればお湯を張っておくよというご主人のお話でした。涼しい時期に入りたい人は事前に相談してみてくださいね。
豊富な湯量を誇る旧館の混浴岩風呂
最後に旧館の混浴岩風呂です。こちらは独立した男女別の脱衣所を経由して入ります。昔ながらの湯治場風情を残す趣きある内風呂となっています。
ご主人に混浴を残している理由を伺うと、夫婦で助け合って入ることができる、片方に何かあってももう一人いれば大事に至らないこともあるからとのこと。湯治のお客さんが多い歴史あるお宿ならではの考え方です。実際に年配のご夫婦が湯治滞在されることも多いのでしょう。
しかし一方、混浴には入りたくないというお客さんも多いのは確か。それで私としてはこう提案したいです。
綺麗で広々としてザバザバ源泉掛け流しの男女別の内湯があるから、一人旅や友人との泊まりなど、助け合う必要のあるご夫婦でなければ、無理して昼間の混浴に入ることはありません。新館の男女別内湯で思う存分、お湯を楽しみましょう!
そして混浴岩風呂や混浴露天風呂は、泊まって日帰りのお客さんが来る前に、(安心のためにバスタオルや湯あみ着などを着用して)ゆったり朝風呂を楽しんではいかがでしょう。
混浴だからという理由で除外してしまうのは、もったいない名湯なのです。
「大塚温泉 金井旅館」の食事はお部屋食
「金井旅館」の食事は部屋食です。時間になると、お部屋に運んでいただけます。
おふくろの味といった感じの家庭料理ですが、ご飯の量もたっぷり。お部屋でくつろぎながらいただけます。
食べ終わったらお盆ごと廊下に出しておけば回収してもらえます。
朝にはポットのお湯も新しいものを持ってきてもらえました。
なお、朝予約すれば300円でお昼にお蕎麦を出してもらえるそうです。周辺はのどかな田んぼや森なので、連泊して湯治する方にはありがたいサービスですね。
チェックインは14時から、チェックアウトは11時までなので1泊でもゆっくりできます。
飲んでも美味しい「大塚温泉」
お風呂に入っている時に、ここに50年通っているという常連さんとお話ししました。
「ぜひ飲んでみて」と湯口を指すので、両手で湯口のお湯を受けてゴクゴクと飲みました。とても美味しいと感じるのは、舌の付け根のあたりにほんのりと淡い塩味と甘みを感じるから。主張しすぎず、でも水道水とはまったく違う滋味深い味わい。
そのあとご主人からいろいろなお話を伺った時に冷たいお茶もいただいて、その時に「実はそのお茶も温泉で淹れたものなんだよ」と教えてもらいました。お風呂もたっぷり源泉掛け流し、シャワーも温泉、もしかしてお部屋のポットのお湯も?
ご主人はニヤリとして一言「館内では水道水は使っていないんだよ」。
大塚温泉 金井旅館
住所:群馬県吾妻郡中之条町大塚803 地図で確認する
電話:0279-75-3073
1泊2食1名:6,800円~ (予約は電話のみ)
日帰り入浴営業時間:9:00~20:00
日帰り入浴料(2時間以内):大人400円、小人200円
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