若者とは誰か。
今朝、なんとなく情報バラエティー番組を見ていたところ、若者の投票離れをテーマにしていた。テーマの前提となったのは、若年層の投票率が1%下がると、若年層が一人あたり年13万5千円損をするというものだ。
私自身は、投票率の低い若い世代が投票することも、世代に関わらず投票行動を起こすことは大変重要なものであると思っている。特に若者の政治参画や投票への行動変容を推し進めようと、「若者と政治を結ぶNPO法人ドットジェーピー」や「未成年模擬選挙」などを通じて多くの友人や知人が活動している。
また、少しでも政治や選挙に興味を持ってもらおうと、これまでとは切り口を変えて投票を呼び掛ける認定NPO法人フローレンスの駒崎さんの発信を読まれた方も少なくないのではないだろうか。
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情報バラエティーに話を戻すと、若年層の投票率の低下によるコスト算出をされたのは、東北大学大学院経済学研究科の吉田浩教授で、ゲストコメンテーターとして登場されていた。
そこで目についたのが、今回のコスト算出にあたっての若年層の年齢が20歳から49歳となっていたことだ。いま、日本の若者向けの政策の対象年齢は概ね15歳から39歳(または30代)というものが多い。2011年前後までは34歳だったが、「子ども・若者育成支援推進法」施行以来、39歳までに広がっていると、政府のみならず、自治体の政策などを見ていても感じている。
若者/若年という言葉に明確な定義はないが、政策的対象年齢を講演などで説明すると、34歳のときでもそうだが、39歳という年齢に会場はどよめくことが多い。若干の失笑も入る。あくまでも個人の経験だが、高校生や大学生に聞くと若者の年齢は20代までと回答されることが多い。
今回、選挙権という意味で20歳を若年層の年齢範囲で下限設定をしたのかは理解ができるが、49歳を上限設定したのは、あまり受け入れられないのではないかと思う。少し番組から目を話していた時間帯もあったので定かではないが、他のコメンテーターから若年層の年齢範囲に質問はなかったのではないか。
若者の投票離れというテーマでは、今回の選挙で投票に行くかどうかについて20代の若者ばかりにインタビューをしていた。その上で若年層の投票率が1%下がると、一人当たり年13万5千円損をするという番組ではあるが、土曜日の朝の時間帯、いったい誰に何を伝えようとして作られた番組なのだろうか。