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韓国が東京五輪メダル争いで日本をライバル視? 畑岡奈紗、渋野日向子、鈴木愛はどう評価されているのか

金明昱スポーツライター
渋野日向子ら3人が東京五輪出場圏内にいる日本勢。韓国も警戒している(筆者撮影)

 約5カ月後に迫った東京五輪。

 ゴルフの女子日本代表を決める争いに注目が集まるなか、米女子ツアーのホンダLPGA(20日開幕・タイ)とHSBC女子チャンピオンズ(27日開幕・シンガポール)の2試合が中止になった。

 いずれも新型コロナウイルスによる肺炎の拡大が中止の理由だが、この試合に出場を予定していた渋野日向子ら日本選手にとっては、かなりの痛手だ。

 というのも、世界ランキングのポイントが大きい米ツアーに出られなくなったことで、今後の日本代表争いに影響が出るのは必至。

 東京五輪出場のためにも米ツアーで結果を残して世界ランキングを少しでも上げておきたいこのタイミングで、大会中止は予想外だったに違いない。

 そんな中で韓国メディアが注目し始めているのが、日本の女子ゴルフだ。「東京五輪のライバルになるのは日本」という論調が目立ち始めている。

ライバルは米国や欧州でなく“日本”

 世界ランキングを基にして国際ゴルフ連盟(IGF)が毎週発表しているオリンピックランキング15位以内に入れば、各国最大4人まで出場が可能だ。

 現在、日本人選手は同4位の畑岡奈紗、同11位の渋野日向子、同12位の鈴木愛が出場圏内にいるが、韓国メディアはこの3人に注目。

 2016年リオ五輪の女子ゴルフで金メダルを獲得したのはパク・インビ。韓国勢は東京五輪での連覇に意欲を燃やしているが、そこに立ちはだかるライバルとして、真っ先に日本を挙げているのだ。

 一般紙「韓国日報」は「“東京五輪の年”に米ツアーで日本人選手の躍進が目立つ。東京五輪の女子ゴルフで、金メダルの競争相手が米国や欧州ではなく、日本になる可能性が高い」と伝えている。

女子ゴルフの“日韓戦”を意識

 記事では畑岡奈紗について触れ「シーズン開幕戦と2戦目で2週連続で2位だった。2大会で見せた畑岡の優勝争いは、脅威を感じるには十分な活躍だった」とし、筆頭のライバルになると報じている。

 また、経済紙「ヘラルド経済」は「東京五輪の女子ゴルフは運命の韓日戦?」と見出しを打ち、「韓国の大会2連覇を阻止する有力候補は、ホームコースの利点を知る日本の選手たちだ」と警戒。

 そこで渋野と鈴木についてはこう報じている。

「渋野は昨年のメジャー大会である全英女子オープンで優勝した。米ツアー参戦はせず、日本ツアーに残ることにしたが、すべては東京五輪に集中するためだ。また、鈴木は昨年日本ツアーで7勝し2度の賞金女王に輝いた。昨年のTOTOジャパンクラシックで優勝して米ツアー出場権を獲得したが、渋野と同じく日本に残った。鈴木もまた東京五輪出場を最優先課題としている」

 日本の選手たちの五輪出場とメダル獲得への思いの強さについて、韓国メディアは報じている。

朴セリ「日本が無条件に有利とは言えない」

 しかし、そんな日本勢の勢いに釘を打つかのように、女子韓国代表監督を務める朴セリは、総合ニュースサイト「ニュースピム」でこんなことを語っていた。

「リオの栄光を再現できるように努力します。私たちの最大の強みは(現時点で)4人の選手が五輪に出場できることです。日本がホームで、コースを良く知るとはいえ、無条件に有利だとはいえません。むしろ、より多くのことを知れば、難しくなることもあります。重要なポイントを攻略することが何よりも大切です。コース戦略をしっかり立てて準備したい」

 絶対に負けられないという強い気持ちのこもったコメントだが、これまで警戒対象でなかった日本の選手たちを意識しているのは間違いない。

 東京五輪で日本の選手たちは、韓国勢の脅威となれるのか――。今後の動向に注目していきたい。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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