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国内復帰する女王イ・ボミがKLPGAにだけ明かした意外なエピソードとは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
韓国メディアの取材に応じるイ・ボミ(写真提供:KLPGA)

今日から始まる日本女子プロゴルフツアー「大東建託・いい部屋ネットレディス」で1カ月ぶりに国内ツアーに復帰する昨季賞金女王のイ・ボミ。スポーツ・メディアやゴルフ専門誌ではイ・ボミのコメントが多数紹介されているので近況はそちらに任せるとして、ここでは日本では報じられていないイ・ボミのいくつかの言葉を紹介したい。

というのもイ・ボミは「全米女子オープン」のあと、韓国に戻り約3年ぶりにKLPGAツアーに出場。「BMWレディーストーナメント」に出場しているが、大会終了後にKLPGA公式サイトの単独インタビューに応じており、それが最近公開されている。

3年ぶりの韓国復帰ということでラウンド中も日本では見せない姿を見せていたイ・ボミだが、韓国記者との会話でもいくつか興味深いことを語っているのだ。

(参考記事:イ・ボミ完全密着!! 韓国カメラマンだから撮れた4日間フォトギャラリー

例えばラウンド中の持ち物については「グローブはひとつですが、ボールは6個準備して3個ぐらい使いますね。ボギーを出したら、気分転換にボールを交換します(笑)」と語っている。今季前半戦でイ・ボミのパーセーブ率はダントツ1位の90%台だったので、ボール交換回数も少なかっただろう。

ファンの声援にいつも笑顔で応えるようになったきっかけについても語っている。

「私が大好きなラッパーであるバビーさんの日本でのコンサートに行ったとき、“バビー”と大きな名前で呼んだら私を見て笑ってくれんたです。本当に嬉しかった。その経験がキッカケになりました」

バビーとは、YGエンターテインメント所属のボーイズグループ“iKON(アイコン)”のラップ担当BOBBYのことだ。イ・ボミが日本に来たばかりの頃に取材したとき、同じくYGエンターテインメントのBIGBANGの楽曲が好きだと語っていたが、iKON も好きだとは知らなかった。

(参考記事:日本を沸かすイ・ボミ人気の秘密~イ・ボミ特集

個人的に興味深かったのは、韓国での意外な生活について明かしたことだ。「日本ツアーの試合がないときに韓国に頻繁に戻っているようですが」と尋ねられたイ・ボミは、こう答えている。

「家で休むときもあれば、大学院の授業や試験に行きます。この前の6月27日には最後の試験がありました。この夏に修士課程を卒業する予定です」

大学院とは、建国(コングッ)大学大学院のことで、イ・ボミは同大学院のゴルフ産業経営専攻に籍を置いている。

同大学院にはキム・ハヌルも通っている。実はイ・ボミが試験を終えたあとに、私も雑誌の取材でふたりの担当教授であり大学時代の恩師であるパク・チャンフィ教授の元を訪ねたが、教授はこんなことを言っていた。

「ふたりとも日本でネット動画授業をチェックしたり、私が与えた課題をレポート提出したりしています。トッププロであっても学期末試験は義務ですからね。個人面談もし、試験もしました。点数? それぞれイーブンというところでしょうか(笑)」

大学時代から同級生でフェアウェイでは良きライバルであるイ・ボミとキム・ハヌルは、学業でも互いに切磋琢磨しているわけだ。

(参考記事:現場密着のゴルフ記者が明かす!! イ・ボミ&キム・ハヌルの素顔

ちなみに建国大学大学院のゴルフ産業経営専攻には、“韓国ゴルフ界の超絶セクシークイーン”アン・シネも籍を置く。パク・チャンヒ教授曰くアン・シネも勉学優秀だが、「ボミはどんな科目でも勉強熱心です。これだと目標を決めたら一生懸命に突き進む」と褒めていた。

そんなイ・ボミがKLPGA公式サイトとのインタビューで最後に語っていたのが、今季のこれからの目標だ。

「(今季は)3勝を考えていましたが、思ったよりも早く2勝し、目標を高くしました。あと3勝すれば、通算20勝になるんです。そして平均ストローク69台を維持し、“今年の選手賞(年間MVP)”を連覇することです」

これは日本のメディアでも語られている上方修正された目標だが、20勝には大きな意味がある。KLPGAでは国内ツアーで20勝以上したり、アメリカ、日本、ヨーロッパツアーでも20勝以上の成績を残せば、KLPGA永久シード権を付与している。

その栄誉を手にしているのは、故・具玉姫、朴セリ、全美貞、申ジエ、パク・インビ、アン・ソンジュ、そして李知姫だけだ。イ・ボミが達成すれば“韓国美女ゴルファー神7”の中では初のことにもなる。

それだけに今日から始まる「大東建託・いい部屋ネットレディス」はもちろん、イ・ボミの今季後半戦からは目が離せない。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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