Yahoo!ニュース

キム・ハヌル、申ジエに続く快挙達成!!韓国女子ゴルフは今季も花盛りだった!!

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(写真提供=KLPGA)韓国女子ツアー賞金女王に輝いたイ・ジョンウン6

先週の日本女子ツアー「伊藤園レディス」は、黄アルムの優勝で幕を閉じた。

シーズン終盤で賞金女王争いが気になるところだが、現在賞金ランキング1位のアン・ソンジュの4季ぶりとなる賞金女王の座は、まだ確定しておらず、今週以降に持ち越しとなっている。今日から始まる「大王製紙エリエールレディス」で決まる可能性もある。

一方、韓国女子ツアーは、最終戦が一足早く終了した。最終戦となった「ADTキャップス・チャンピオンシップ」(11月9~11日)はパク・ミンジが制している。

韓国女子ツアーの賞金女王も決まった。“ホット・シックス”と呼ばれるイ・ジョンウンが2年連続となる賞金女王に輝いた。

日本でも実力を見せたイ・ジョンウン6

イ・ジョンウンといえば、5月の日本女子ツアー「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」に参戦し、申ジエや鈴木愛と優勝争いを繰り広げた選手として記憶に新しい人もいることだろう。

(参考記事:昨年はアン・シネ“ミニスカ旋風”、今年は“ホット・シックス”イ・ジョンウンが日本上陸!!

イ・ジョンウンは同大会前の時点で2位と7440万ウォン(約744万円)差のトップを走っていたが、最終戦までマネークイーンの座を確定させることはできなかった。それは彼女が米国女子ツアーのシード権を獲得するためにQシリーズに出場していたからだ。

「二兎を追うのは難しい。賞金女王は無理ではないかと予想する関係者も多かった」とは、韓国ゴルフ記者の言葉。しかし終わってみれば、Qシリーズを1位通過するだけでなく、韓国女子ツアーの賞金女王と平均ストロークの2冠を達成している。

イ・ジョンウンは「2冠を達成できるとは思わなかったが、シーズン序盤の悪い流れのなかで2勝をあげることができ、2年連続の賞金王になれて忘れられない一年になった」と喜びの声を伝えていた。

2年連続賞金女王は“スマイル・クイーン”以来の快挙

韓国女子ツアーで2年連続の賞金女王を達成することは、非常に珍しい。記録を辿ると、日本女子ツアーでプレーしている“スマイル・クイーン”キム・ハヌルが2011、2012年に達成して以来の快挙だ。

(参考記事:韓国女子ゴルフ界の“スマイル・クイーン”キム・ハヌルのSNSがすごい!!

2年連続で賞金女王に輝くのが難しい理由は、ひとえに新たな逸材が次々と登場するからだ。

以前、“韓国美女ゴルファー神セブン”のひとり、ユン・チェヨンも「韓国では長く現役を続ける選手がいません。やらないのではなく、できないのです。若い選手が続々と出てきて、シード権を失ってしまうことが多いからです」と話していた。

その言葉通りに、今季も大物新人が誕生している。新人王に輝いたチェ・ヘジンだ。

19歳の“怪物ルーキー”も2冠

今シーズン、イ・ジョンウンと同じ2勝をあげた彼女は、大賞ポイントでもトップとなり、新人王と大賞の2冠を達成している。賞金ランキング4位、平均ストロークも2位としており、一時は「ルーキー全冠王」まで囁かれていた。

韓国女子ツアーで新人王と大賞の2冠達成した代表格といえば、2006年の申ジエと2013年のキム・ヒョージュだろう。

申ジエは米韓で賞金女王に輝いた説明不要の名プレイヤーであり、キム・ヒョージュも米国女子ツアーで活躍する選手だ。チェ・ヘジンも偉大な先輩に続く逸材として、来年以降も注目されることは必至だ。

韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)の一年を締めくくる“スターたちの祝祭”とされる KLPGAアワードでもチェ・ヘジンは注目を集めることだろう。

(参考記事:韓国時代のイ・ボミ、アン・シネ、キム・ハヌルも!! 写真で振り返るKLPGAアワード名場面集!!)

いずれにしても、イ・ジョンウンの2年連続賞金女王と、“スーパールーキー” チェ・ヘジンの活躍が目立った今季の韓国女子ツアー。次はいよいよ大詰めを迎える日本女子ツアーの賞金女王の行方に注目したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

慎武宏の最近の記事