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鱒が鮭を追い抜いて、エンジェルスに「300本塁打トリオ」が誕生。その合計本数は1200本を超えるが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイク・トラウトとジャスティン・アップトン Sep 5, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)が、史上151人目の通算300本塁打に到達した。9月5日のダブルヘッダー1試合目にライト・スタンドへ打ち込み、前日に並んだティム・サーモンの球団記録を塗り替えた。鱒(トラウト)が鮭(サーモン)を追い抜いた。

 300本塁打以上の現役選手(今シーズンの試合に出場している選手)11人のうち、3人はエンジェルスにいる。他の8人は、それぞれ別のチームだ。エンジェルスも、開幕した当時はアルバート・プーホルスしかいなかったが、7月29日にジャスティン・アップトンが300本目のホームランを打ち、そこにトラウトが加わった。9月5日時点の通算本塁打は、659本と303本と300本だ。合計すると、1262本になる。

筆者作成
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 もっとも、この300本塁打トリオのなかで、今シーズンも打棒を振るっているのは、トラウトだけだ。15本塁打のトラウトに対し、プーホルスとアップトンのホームランは、合計しても約半数の8本に過ぎない。3本と5本だ。2人とも、OPSは.700未満。40歳のプーホルスのみならず、33歳のアップトンも不振に陥っている。

 2017年の夏にアップトンが加わり、開幕からチームメイトとして過ごした過去2シーズンも、彼らは、30本塁打トリオどころか、20本塁打トリオすら形成していない。2018年のホームランは、トラウトとアップトンが39本と30本ながら、プーホルスは19本。2019年は、トラウトが45本、プーホルスが23本、長期欠場のアップトンは12本だった。どちらのシーズンも、3人の合計本数は90本に届かなかった。ちなみに、2018年にエンジェルスで3番目にホームランが多かったのは、22本の大谷翔平だ。2019年は、33本のコール・カルフーン(現アリゾナ・ダイヤモンドバックス)が2番目に多かった(18本の大谷は4番目)。

 なお、トラウトがエンジェルスと交わしている12年4億2650万ドルの契約は、2030年までだ。プーホルスの10年2憶4000万ドルは、来シーズンが最後。アップトンの5年1億600万ドルは、2022年まで続く。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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