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「粘りを欠いたというか、折れてしまいましたね」木村一基九段、藤井聡太三冠戦を終えてのコメント

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

木村一基九段「(相掛かりの序盤、26手目△8五桂で前例を離れたが)自信が持てない展開でしたね。ちょっと攻めが細いから、届かない変化が多いんだろうなと思っていました。(31手目、▲8七金の飛車取りに、銀と刺し違え△7九飛成と切っていったが)ちょっと一直線すぎるので、ためらいがあったというところですかね。(35手目▲7四歩以下)少し苦しいかな、とは思っていました。ただ、そう、▲7四歩打つとこと(代わりに)▲8八角上がるところ、藤井さんの方も迷うところかな、とも思いましたので。まあどっちかな、みたいな感じでしたけど。ちょっと苦しい感じでしたかね。(30手目△3五金に藤井三冠も42分考えていた)△3五金? ああ、△3五金。飛車取りですね。まあ難しいかな、と思いました。ちょっとわるいかな、自信を持って選んでいるわけではなかったんです、仕方ないという面もあったんですけど。簡単に負けるわけでもなくなったのかな、とか。いや、よくわからなかったですけどね。(52手目、金取りに打った)△5二歩がどうだったか、ということになりますね。受け一方になるんだったら。うーん、まあちょっとよくわからないです。本譜の順でもあまりいい気がしなかったですけど。特に決まってる感じでもないような気もしたので。まあただちょっと最後(78手目△2五銀に▲2四金から開き王手で)角取られる順があったのが・・・。もうひと工夫というか、ちょっとそこが粘りを欠いたというか、折れてしまいましたね。いかんですな・・・。(今期順位戦はこれから)はい、せいいっぱいがんばります」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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