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1泊2日の旅行で何回入る? 理想的な「温泉の入浴回数」について考えてみた

高橋一喜温泉ライター/編集者

温泉地に宿泊したとき、何度湯船につかるだろうか?

温泉マニアでもある筆者のケースは参考にならないが、1泊2日のうちに5回以上は温泉に入る。

宿に着いてすぐに入り、食事の前にもう1回。そして食後に入り、寝る前にもう1回。翌朝は寝起きに1回入り、可能であればチェックアウト前にもう1回。チェックインが早くできたり、チェックアウトが遅くできたりする宿であれば、さらに入浴回数は増える。

こんなことを話すと、多くの人は「えっ! そんなに入るの!」と驚くか、あきれかえる。

本来、1日に何度も温泉に入るのは、温泉療養の観点からいえば、体への負担が大きいので好ましくない。過度に温泉に入りすぎると、のぼせたり、湯あたりの症状が出ることもある。

教科書的なことを言えば、通常、温泉療養をする場合、最初の数日は入浴回数は1回くらいが望ましく、その後は1日2~3回が適当だとされている。

しかし、現実的には1泊2日で訪ねる場合は、1回だけではもったいないし、複数の浴室がある場合は、はしご湯もしたくなる。

それよりなにより、温泉が自分好みの湯であれば、何度も入りたくなってしまうのは仕方ない。

体と相談しながら、初日から複数回入浴するのが現実だろう。

1日3回の入浴とそのタイミング

筆者の経験則から言えば、1泊2日の旅なら3回がベスト。

①チェックイン直後、②就寝前、③翌朝の寝起き

まずは①チェックイン直後。宿に着いたら、ひと休みをしてから浴室に向かう。16時から18時くらいの食事前の時間は、浴室が混み合うので、ゆっくり湯浴みを楽しむなら、早めにチェックインして一番風呂を目指すのが正解。

➁就寝前にも入浴したい。人の体は体温が下がっていくときに眠くなるようにできている。だから、眠る1~2時間前に入浴して一旦体を温めると、ちょうど寝る時間に体温が下がり、すんなり眠ることができる。

可能ならぬるめの湯に入ると、副交感神経が優位になり、リラックスした状態で布団にもぐり込める。

③翌朝の寝起きの入浴も気持ちいい。

少し熱めの湯に入浴すると、交感神経が優位になり、しゃきっと目が覚める。温泉で脳と体が目覚めていく感覚は、温泉旅ならではである。

「3回はちょっと多いなあ」と感じるなら2回にしてもいいし、「せっかくだからもっと入りたい」という人は、食事前やチェックアウト前などにプラスで入浴してもいいだろう。いずれにしても入りすぎは禁物である。

温泉にも相性がある

温泉旅を充実させるには、入浴の回数だけでなく、源泉そのものとの相性も考えたい。

ひと口に「温泉」といっても、ひとつとして同じ成分の源泉はない。自然由来の温泉には、地中のミネラル成分がふんだんに含まれている。その成分量や内訳は源泉によって異なるのだ。

もちろん、源泉ごとに泉温も異なる。40度前後の適温で湧き出している源泉もあれば、100度の源泉や20度しかない源泉もある。

人に個性があるように、温泉にも個性がある。滞在中に何度もつかる温泉との相性も大切である。

相性を考えるうえで、最も注意を払いたいのは、源泉の濃さである。温泉にどれくらいの量のミネラル成分が溶け込んでいるかで、その入浴感が変わってくる。

温泉成分の濃さで源泉の優劣は決められないが、何度も入浴する場合は、温泉成分は濃すぎないほうが付き合いやすい。成分が濃い湯に長時間つかっているとパンチが効きすぎて、体に負担となるからだ。

入浴回数は、源泉の濃さによっても調整する必要がある。濃い温泉なら入浴回数を減らすといった対応も大切だ。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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