兎年で注目!今年大人気の岡崎神社を目指す散策へ
まずは京阪電車の出町柳駅からスタート。今出川通を東へ進み、万里小路通を南へ下ると京土産でも大人気の金平糖の専門店「緑寿庵清水」が見えてくる。続いて東一条通を東へ進むと、北側にはヴォーリズ建築の京都大学YMCA青年会館、さらに東大路通を越えて京都大学の正門前を過ぎると吉田神社の参道に繋がる。
吉田神社は貞観元(859)年に藤原山蔭によって創建された古社で、鬼門封じの役割も果たしてきた。室町後期には神社の宮司であった吉田兼倶が唯一神道を唱えたことから、神社界の評価を高め、全国の宮司の任命権を担ったという。
1月半ばからは節分祭の準備に取り掛かって境内が活気づいてきた。福引付きで大人気の節分の豆も、実はこの頃から社務所で販売されている。
全国の3132柱が祀られている斎場所大元宮を過ぎて、竹中稲荷神社の鳥居をくぐると、左手には竹中稲荷神社への参道、右手は宗忠神社の境内へと入れる。幕末に黒住教を創始した黒住宗忠をご祭神としており、文久2(1862)年に創建された。
朝廷内での崇敬が厚く、孝明天皇の唯一の祈願所となった歴史を持つ。表参道が桜と楓の隠れた名所であり、そこから進んで第57代陽成天皇の御陵を過ぎると真如堂の入口にたどり着く。
真如堂は永観2(984)年に戒算上人によって創建された天台宗寺院で、本尊は慈覚大師作の「うなずきの弥陀」だ。慈覚大師が民衆、特に女性をお救いくださいますか?と尋ねると、首を大きく縦に振った逸話から名がついた。ご開帳は11月15日の1日のみ。紅葉が美しくなる時期なので、ぜひその日にも訪れたい。本堂の奥には有料拝観のエリアもあり、涅槃の庭、隨縁の庭という二つの名庭と襖絵を楽しむことができる。
その後は、墓地の横を抜けて金戒光明寺を目指す。塔頭寺院である西雲院が管理する会津墓地の横を過ぎると、徳川秀忠の菩提を弔うために建立された三重塔が見えてくる。こちらから西方への景色は、西方浄土を意識させるような抜群の景色となっている。階段を降り切る直前右手には、近年盛り上がった髪型が人気の五劫思惟阿弥陀仏もあるので見逃さないようにしたい。
金戒光明寺は法然上人が承安5(1175)年に比叡山を降りて、この地で最初に念仏をあげたことに由来し、徳川家の保護も受けて浄土宗の大本山のひとつとして栄えてきた。
幕末には会津藩が1000名の藩兵を率いて京都守護職の本陣を置いたことでも知られる。昭和19年再建の御影堂には法然上人像、慶長10(1605)年再建の阿弥陀堂には恵心僧都の最後の作とされる「お止めの如来」が祀られている。御影堂前の熊谷次郎直実の鎧掛けの松や、美しく飾られた花手水など見所がつきない。
そしていよいよ金戒光明寺の南門を潜って岡崎神社へ。平安京創建当初から東を守る東天皇社として創建され、八坂神社と同じスサノオノミコトを祀ってきた。周辺に野兎が多く生息していたことから兎が神使いとなり、境内に多くの兎が配置されていることから、今年は干支参りで大人気となっている。
兎は多産であることから安産のご利益、さらにスサノオノミコトが妻の櫛稲田姫と見事に結ばれたことから縁結びとしても人気だ。ぜひこの1月2月中に訪れてみてほしい。