八村塁のゴンザガ大がWCCトーナメント初戦を突破【試合後のインタビュー動画付】
TEXT & PHOTOS by KIYOSHI MIO
八村塁がプレーするゴンザガ大学が、所属するウエスト・コースト・カンファレンス(WCC)のトーナメントに出場。3月4日に行われた初戦はパシフィック大学を82対50で退けて、準決勝進出を決めた。
レギュラーシーズン最終戦となった2月25日のブリガム・ヤング大学(BYU)戦までは開幕から無傷の29連勝を飾り、全米大学ランキング1位に君臨していたゴンザガ大学。しかし、ホームコートでの今季最終戦で、BYUに71対79と足元をすくわれてしまった。
その結果、1位だったランキングは4位に後退してしまったが、それでもレギュラーシーズンを全米4位で終えたのは上出来だと評価できる。
「レギュラーシーズンの最後の最後にホームで負けてしまって、次の日はチーム全体がしょぼんとしていましたが、そこからすぐに立ち直りました」と八村を始めとするゴンザガのメンバーたちは気持ちを切り替えて、まずはWCCトーナメント制覇を次なる目標に掲げる。
レギュラーシーズンを終えたゴンザガ大学が向かった先はネバダ州ラスベガス。オーリンズ・アリーナで開催されるWCCトーナメントに出場するためだ。
レギュラーシーズンのカンファレンス戦で17勝1敗の成績を残したゴンザガは、WCC所属の全10チームが出場するトーナメントの第1シードとして1回戦は免除。第8シード対第9シードの争いとなった1回戦を勝ち抜いた第9シードのパシフィックと2回戦で対戦した。
前半は今季レギュラーシーズンを10勝21敗、WCCでは4勝14敗だったパシフィックが粘りをみせ、27対25とわずか2点差のリードでハーフタイムを迎えた。
前半をベンチから見守った八村は「カンファレンス・トーナメントなので、知っているチーム同士で、こっちとしては自分たちのプレーをするだけでしたが、相手はこっちのことをよく分かっているので前半はちょっと苦しんでしまいました」と分析。
このトーナメントの勝者には、NCAAトーナメント出場権が与えられるので、下位シード校は番狂わせを狙ってくる。しかも、下位シード校にとっては、このトーナメントの敗戦がシーズン終了を意味するので、レギュラーシーズン以上に気合を入れて試合に臨んでくる。
後半に入ると、ゴンザガが力の差を見せつけて、リードを広げていく。23点差となった残り3分54秒で八村が登場。ポートランド大学でプレーした伊藤大司(現アルバルク東京)以来となる日本人選手2人目となるWCCトーナメントのコートに足を踏み入れた。
八村が観客を沸かしたのは、敵軍ゴール前で相手のパスをスティールしたシーン。ボールを奪うと、スピードあるドリブルで自軍ゴールまで突進して豪快なダンクを狙ったが、相手チームのファールに阻まれてしまった。それでも、与えられたフリースロー2本を確実に決める。
すると、その次のプレーでも八村が再びスティールに成功。2本続けてのビッグプレーに会場を埋め尽くしたゴンザガファンは盛り上がったが、今度は八村がターンオーバーを犯してしまい、またしてもダンクの機会は消え去ってしまった。
「スティールはいつも狙うように心掛けているんですけど、速攻のときにミスがあったので、そういうところをまた直して練習していきたい」
5日は試合がなく、6日は第4シードのサンタクララ大学とトーナメント準決勝を戦う。