【どれがおいしい?】昭和・平成・令和のチキンラーメン 洋食!イタ飯!韓食!
昭和・平成・令和の食文化をチキンラーメンで再現!
今回は、「チキンラーメン3時代トリオ」と題して発売された、チキンラーメン3商品をレビューします。昭和は洋食で「クリーミーグラタン味」、平成はイタ飯で「ペペロンチーノ味」、そして現在進行系の令和は韓食で「ヤンニョム味」となっています。
「チキンラーメンどんぶり 昭和の洋食ブーム クリーミーグラタン味」
まずは昭和代表、「チキンラーメンどんぶり 昭和の洋食ブーム クリーミーグラタン味」。洋食ブームと言えば明治や大正のイメージがありますが、昭和で定着し、平成、令和と受け継がれています。洋食の味として今回再現されているのは「クリーミーグラタン」。グラタンは洋食屋さんの定番メニューのひとつですよね。
グラタン風のクリームスープに、チキンラーメンの縮れのついた油揚げ麺と、キャベツやニンジンが合わせられています。別にグラタン味のスープが入っているため、麺はいつものチキンラーメンに比べて薄味。洋食屋のグラタンに入っているのは鶏肉や玉ねぎのイメージがありますが、今回は入っていない上に具自体少なめです。
スープは、麺から溶け出したチキンラーメンならではの鶏ガラ醤油味と、「粉末スープ」による焦がしチーズと玉ねぎの風味を効かせたグラタン風の味を組み合わせられています。主役は粉末のグラタンスープで、少し香ばしいチーズの風味に、玉ねぎの甘みを伴ったコクが感じられ、確かにグラタンの味になっていました。とろみがしっかりついていてグラタンらしくなっています。
チキンラーメンならではの鶏ガラ醤油味は、グラタンの隠し味として効いています。鶏ガラがグラタンの旨味部分を持ち上げ、より厚みのある味にしていました。昔ながらの洋食屋さんの中には、隠し味に鶏ガラスープを使ってグラタンを作っているところもあるのではないかと思うほど、チキンラーメンでグラタンを作ることに合理性が感じられる味でした。
「チキンラーメン汁なしどんぶり 平成のイタ飯ブーム ペペロンチーノ味」
続いては、平成代表の「チキンラーメン汁なしどんぶり 平成のイタ飯ブーム ペペロンチーノ味」。昭和の「洋食」は今でも使われる言葉ですが、バブル経済最盛期に流行した「イタ飯」は今では完全に死語ですね。
ただ、イタリアンは、家での食事や宅配ピザ、ファミレスから高級店に至るまで、私たちの食生活に完全に根付いています。今回再現されている「ペペロンチーノ」も、今では誰もが知る定番味。
「汁なし」なので、普通なら麺を戻したお湯は捨てるのですが、チキンラーメンは戻し湯にこそ鶏ガラ醤油味が溶け出します。戻し湯を捨てずにカップに入れることで、スープとして飲むことができる仕様。チキンラーメン版「やきそば弁当」状態ですね。
ガーリックや唐辛子を加えたペペロンチーノ風のソースに、チキンラーメンの麺と、キャベツや唐辛子が合わせられています。チキンラーメンの鶏ガラ醤油味は、湯切りしてしまうとほとんどなくなって出涸らし状態。
チキンラーメンの味を楽しむなら、麺を口に入れてから戻し湯のスープで流し込むことで、両者の融合できます。別段、相性が良いとは思いませんでしたが、ガーリック風味のチキンラーメンになりました。
ひとえにチキンラーメンと言ってもすべて同じ麺というわけではなく、汁なしに使われている麺はいつもよりひとまわり太くて厚みがあり、味付けも薄め。チキンラーメンで太めの麺の食感を楽しめるのはこの商品だけなので希少性はあります。
メーカーは推奨していませんが、麺をスープにつけてつけ麺風にして食べる方法もあります。これだとチキンラーメンの味は濃く感じられますが、ペペロンチーノの味がスープに流れ出てしまい、ただのチキンラーメンの味に近くなってしまいました。麺を口に入れてスープで流し込む方式のほうがオススメです。
「チキンラーメンビッグカップ 令和の韓食ブーム ヤンニョム味」
3つめは、令和代表の「チキンラーメンビッグカップ 令和の韓食ブーム ヤンニョム味」。韓流文化が日本の特に若い世代に受け入れられてきていますが、食文化も例外ではなく、ドンキやスーパーなどでも韓国食品のコーナーができるほどに浸透しています。
「ヤンニョムチキン」とは韓国風のフライドチキンで、コチュジャンで甘辛く味付けられているのが特徴です。日本の味付けではない考えられないレベルで甘いことが多く、カップ麺でその味がどう再現されているのか興味深いところ。
甘辛の「ヤンニョムチキン」風の味付けとチキンラーメンの麺から溶け出した鶏ガラ醤油が融合したスープに、チキンラーメンの麺と、ダイスミンチ、ニラ、ごまが合わせられています。
味噌味ベースにコチュジャンやトマトを加えた甘辛味を合わせたスープで、ヤンニョムチキンの味を再現しています。ヤンニョムチキンとしてはそうでもないですが日本のカップ麺としてはかなり甘く、辛さはピリ辛程度。
チキンラーメンの麺から溶け出した鶏ガラ醤油味と、ニンニク風味の調味油が合わさることで、フライドチキンの鶏肉や衣の味を再現しており、チキンラーメンを使ってヤンニョムチキン味を作ることにきちんと意味が感じられます。
具の粒ごまも風味付けに一役買っており、鶏ガラのチキンラーメンがある程度しっかりヤンニョムチキン味を再現している面白い一杯でした。
鶏ガラは隠し味か主役か
「昭和」「平成」「令和」の食をチキンラーメンで再現した商品でしたが、チキンラーメンの鶏ガラが、「昭和」ではグラタンの隠し味、「平成」では付属のスープ、そして「令和」では鶏肉や衣の味の役目を果たしており、特に「昭和」と「令和」は甲乙つけ難い美味しさと面白さでした。