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「WBSSは資金難?僕は期日通りに払って貰っているよ」 WBA世界Sライト級王者レジス・プログレイス

杉浦大介スポーツライター
Photos By World Boxing Council

WBA世界スーパーライト級王者

レジス・プログレイス(アメリカ)

1989年1月24日生まれ(30歳)

ルイジアナ州ニューオーリンズ出身

 プロ戦績は24戦全勝20KO。サウスポーのボクサーファイター。ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)のスーパーライト級では昨年10月の1回戦でテリー・フラナガン(イギリス)を判定で、今年4月の準決勝ではキリル・レリック(ベラルーシ)を6回TKOで下し、決勝進出を決めている。このレリック戦では初めて世界タイトルを奪取した。

ファイトマネーの支払いは円滑

ーーWBSSはアジア、欧州では人気ですが、ファイトマネーの支払いが滞っているといった悪評も耳にします。何人か辞退をちらつかせる選手も現れました。あなたはこのトーナメントをどう感じていますか?

RP : 僕は満足しています。主催者が資金難に陥っているという話はもちろん知っていますが、僕への支払いは何の問題もありません。期日通りに報酬を手にしているし、不満はゼロです。もしかしたらBサイドの選手は不利益を被っているのかもしれませんね。マネージャーにもこのトーナメントで戦い続けたいと話しており、その通りに進んできて本当に良かったですよ。

ーーファイトマネーは全額を受け取っているということですね?

RP : その通りです。何も問題はありませんし、心配もしてません。 

ーーまずはWBSS決勝のジョシュ・テイラー(イギリス)戦に集中しなければいけないのはわかっていますが、トーナメント終了後に戦ってみたい相手は?

RP : 世界王者のベルトを持っている選手です。モーリス・フッカー(アメリカ)、ホゼ・ラミレス(アメリカ)のどちらでも構いません。両方と戦ってもよいですし、どちらかだけでも問題ありません。WBSSが終わるときには2本のベルトを持っているはずなので、フッカー対ラミレスの勝者と戦えば、すべてのベルトが手に入ることになります。その後にウェルター級に階級を上げたいと思っています。

ーー以前、ウェルター級でテレンス・クロフォード(アメリカ)と戦いたいと話していました。クロフォード戦も目標の1つですか?

RP : その通りです。いずれクロフォードと戦いたいです。特に僕がスーパーライト級で4本のベルトを手にし、元4団体統一王者のクロフォードと戦えば話は大きくなりますよね。本物のビッグファイトです。そんな試合をしていきたいんです。

ーークロフォードもパウンド・フォー・パウンド最強候補と称されるほどの選手ですが、どうやって戦うつもりですか?

RP : クロフォードに対しては同じことをやり続けていてはダメでしょう。試合中、常に変化しながら戦う。それはそのまま彼のファイトスタイルでもあります。クロフォードはフロイド・メイウェザー(アメリカ)と同様にスイッチを多用しますね。フロイドのスタイルから学べることは、何かがうまくいっていないときには、他のことに挑んでいくべきだということ。クロフォードもフロイドと同じで、絶えず変化させながら最善の術を見つけていく選手。そんなクロフォードと戦うとしたら、僕もプランA、プランB、プランC、プランDまで用意し、効果的に出し入れしていく必要があると思っています。誰にでも弱点はあるもの。試合中にそれを探し出すことがクロフォードに勝つためのポイントでしょう。

ーーあなたのキャリアの最終目標とは?

RP : うーん、それは難しいですね。僕の目標はよく変わるんですよ(笑)。これまでも目標を設定し、それを達成してきました。世界王者になりたかったですが、その目標はすでに成し遂げました。しかし、まだまだやるべきことは残っている。今後も向上し、目の前に現れる敵を倒し続ける。その先に何があるかはいずれに見えてくるでしょう。キャリアを終えた後のこととかは、まだまったく考えていません。

ーーところでグラスゴーでテイラー対イワン・バランチク(ベラルーシ)戦をリングサイドで観戦した際、井上尚弥対ロドリゲスの試合も観たと思います。最後に“ザ・モンスター”と呼ばれる井上の印象を話してもらえますか?

RP : 井上は“ビースト”。本物のモンスターですよ。彼の試合は(リングサイドではなく)ホテルのロビーで見たんです。まるでリトル・マイク・タイソン。本当にすごい選手ですね。

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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