年末は家計も大掃除、「使途不明金」を見つけて来年は貯蓄を増やそう
「家計の大掃除」で1年間の支出を洗い出そう
このお正月休み、勤め先によっては大型連休になるようですが、遠出はせずにゆっくり家で過ごす、増えたモノやたまった家事をこの機会に片付けるというご家庭も少なくないでしょう。
そこに加えてお勧めしたいのが「家計の大掃除」。今年1年間、どんなことにお金を使ったかを洗い出してみるのです。「どんなこと」の項目は、各家庭のライフスタイルにより設定してかまいません。
支出項目の設定をあまり細かくしてしまうと、1年分を集計するのがとても面倒になります。夫婦それぞれの買い物は「夫のこづかい」「妻のこづかい」にまとめるなど、ある程度ザックリしたものでOK。
かと言って、あまりザックリまとめすぎると、使いすぎの項目が隠れてしまいます。「わが家は使いすぎかも」と思われる項目については立てておきましょう。
家計簿や家計簿アプリを使って支出を管理しているという人は、その項目ごとのデータを集計すれば早いでしょう。よほど記入漏れが多くないかぎり、かなり正確に今年の支出内容が把握できるはずです。
一方、家計簿などをつけていない人は、銀行の通帳やクレジットカードの明細書を手がかりに1年間の支出内容を探っていきましょう。
銀行引き落としで支払っている項目が色々あるはずです。住宅ローンや家賃など住居費関連、習い事などの月謝、光熱費・水道料金・電話代などの公共料金、クレジットカードやデビットカードの支払い・・・、それらを拾っていけば集計が可能です。
ちょっと面倒ですが、カードの明細書から何に使ったかもあわせてチェックし、項目ごとの集計に反映させるといいでしょう。
また、振込みで支払った支出があればそれも通帳に記載されていますから、こちらも忘れずに集計しましょう。
「使途不明金」の発見で来年以降の貯蓄に弾みを
問題は現金で引き出したお金の行き先です。それぞれの生活パターンから推測して当てはまりそうな支出項目については、使ったと思われる金額を集計に反映できます。ですが、どうしても思い出せない支出もたくさんあるでしょう。これは家計の「使途不明金」です。
家計簿をつけている人も記入漏れがあれば、やはり家計に「使途不明金」が発生します。
いくらくらいあるかチェックする方法として、まず1年間に受け取った収入(銀行口座に振り込まれた給料とボーナスの合計額でOK)を確認します。その中から今年、貯蓄に回した金額はいくらでしょうか(給与天引きで行った財形貯蓄などは含めない)。1年間の収入金額から貯蓄額を引いた金額は、すべて使っている金額です。その金額より家計簿を集計した支出金額のほうが少ないようなら、その差額は「使途不明金」ということになります。
使い道が思い出せないということは、もしかしたらそれほど重要な支出ではないのかもしれません。少額のムダづかいでも、チリも積もれば山です。このムダに使ってしまった「使途不明金」を意識して減らせれば、家計に貯蓄として残すことが可能です。
わが家にどれくらいの「使途不明金」があるのか、いま知っておくことは、来年以降の貯蓄に弾みがつくと言えるでしょう。
金融広報中央委員会の『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]平成29年調査結果』によると、中間所得層の年収500万円~750万円世帯の4世帯に1世帯が貯蓄ゼロです。高所得層の年収1000万円以上でも10世帯に1世帯が貯蓄ゼロ。
家計が回っているから大丈夫と安心し、「使途不明金」を放置している世帯が多いのだと思われます。「使途不明金」の存在に早く気づくことが大切だとわかります。
ですから、是非この機会に家計を大掃除して「使途不明金」に気づき、来年はそこからいくら貯蓄に回すか決めましょう。また、使途がハッキリしている項目についても、せっかく集計したのだから来年の支出予算のたたき台に使いましょう。使いすぎが反省される項目については金額を削り、貯蓄に回せればいうことはありません。
この作業は、結婚している世帯では夫婦で行うことが大切です。情報を共有しないと、どちらかの努力だけでは家計は健全に回りません。このお正月休みをよい機会にしてください。