今オフのFA市場で「ビッグ2」となる2人が、あわやチームメイトに
8月21日、ワシントン・ナショナルズはウェーバーを経由し、ダニエル・マーフィーとマット・アダムスを放出した。マーフィーは、マイナーリーガー1名&金銭あるいはPTBNL(後日決定選手)と交換に、シカゴ・カブスへトレード。アダムスは、獲得を申し出たセントルイス・カーディナルスへ譲り、ナショナルズは規定の費用として5万ドルを受け取る。
ワシントン・ポストのホルヘ・カスティーヨによると、ナショナルズは2人だけでなく、ブライス・ハーパー、マーク・レイノルズ、マット・ウィーターズ、ジオ・ゴンザレスもウェーバーにかけ、少なくとも、ハーパーにも獲得の申し出があったという。
ハーパーの獲得に動いたのは、ロサンゼルス・ドジャースらしい。オレンジ・カウンティ・レジスターのビル・プランケットが、そう報じている。移籍が実現すれば、7月18日にボルティモア・オリオールズから移ったマニー・マチャドとともに、今オフのFA市場を賑わせる野手の「ビッグ2」が、ドジャースに揃い踏みしていた。
だが、ハーパーはナショナルズに残った。ファンクレッドのジョン・ヘイマンによると、ナショナルズはハーパーをウェーバーから引っ込めたという(その仕組みについては「トレード・デッドラインを過ぎても、補強はできる。8月のトレードを簡単に説明すると…」)。
これらの動向がすべて本当であれば、ドジャースが提示した交換条件を、ナショナルズは受け入れなかったということだ。
今オフ、FAになったハーパーに対し、ナショナルズは拒否されるのを承知の上で、クオリファイング・オファー(QO)を申し出る。そうすれば、ハーパーが他球団と契約した際、ナショナルズは来年のドラフト指名権――2巡目と3巡目の間になるだろう――を与えられる。ナショナルズはドジャースから交換に得るものよりも、ドラフト指名権の方が上と判断したと思われる。
なお、ナショナルズはアダムスにQOを申し出る気はなく、マーフィーはトレードがなくてもQOの対象外だった。QOの対象になるのは1度だけだ。マーフィーは2015年のオフにニューヨーク・メッツの申し出を断り、ナショナルズと3年3750万ドルの契約を交わした。また、シーズン途中に移籍してFAとなった選手も対象から外れるので、マチャドはこれに該当する。