世界のスマホゲーム市場規模は7兆円突破 恐るべき中国のパワー 日本が上の数値とは?
ゲーム市場の規模や動向などを収録した書籍「2021 CESAゲーム白書」(6600円)が25日、発売されました。メインはゲーム業界の市場規模ですが、同書にはユニークなデータも収録されていますので、紹介してみます。今回は、スマートフォン用ゲーム市場についてです。
「CESAゲーム白書」は、ゲーム業界団体のコンピュータエンターテインメント(CESA、東京都新宿区)が1996年から毎年発行。市場規模をはじめ、さまざまなデータを収録しています。
◇欧米アジアで世界の9割超
同書によると、2020年のスマートフォン用ゲームゲーム市場は、世界で約7兆7000億円でした。地域別では、アジア(中東を除く)が約4兆2000億円で最も多く、北米が約2兆円、欧州が約1兆円。三つの地域で9割以上を占めています。
国別の最大は中国で約2兆円超えで、米国(約1兆9000億円)を上回りました。続くのが日本(約1兆2000億円)です。
ちなみに家庭用ゲーム機用ソフト(パッケージのみ)の世界市場規模が約1兆5000億円で、うち日本市場は約3760億円です。仮にダウンロード市場規模を考慮して、数値を2倍にしたとしても、まったく届きません。
ちなみにスマートフォン市場の「国民一人当たりの年間消費額」で比較すると、中国は1500円弱、米国は6000円弱、日本が1万円弱になり、日本は世界一でした。日本が成長するには客単価をさらにアップさせることでしょうが、直近3年の状況は頭打ちでです。
中国は政治的な問題があって、ビジネスが振り回される難しさを抱えていますが、現時点でも大きいわけです。リスクはあっても、手を引かない理由も納得といえます。
そしてウクライナ侵攻で注目を集めたロシアのスマートフォン用ゲーム市場ですが約900億円でした。2018年は約600億円なので、今後の成長が見込める市場でした。
◇日本のトップはモンスト 世界も2位
日本の年間売り上げトップのスマホゲームは、アンドロイドとiOSとも「モンスターストライク」でした。「Fate/Grand Order」はアンドロイドが2位でiOSが4位。「荒野行動」はアンドロイドが18位、iOSが2位となります。
世界の年間売り上げトップは、アンドロイドが「コインマスター」で、iOSが「ロブロックス」でした。なお「モンスターストライク」が両OSの2位となっています。
なお中国では、Google Playの正式サービスが展開されていないため、データが存在しません。そしてiOSの1位は「王者栄耀」で、女性にも高い人気を誇るそうです。なお日本でおなじみの人気作「サムライスピリッツ」のキャラクターも登場しますが、これはSNKのゲームが中国でよく知られているためです。
同作も含めて人気がありすぎて、勉強や仕事が二の次になり、高額課金も続発。日本と同じような問題が起きて、中国政府にマークされた……という背景もあるわけです。