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三連休、どこ行く? はじめての「ひとり温泉」女性ひとり客が”絶対外さない”「宿選びのコツ」湯治編

山崎まゆみ観光ジャーナリスト/跡見学園女子大学兼任講師(観光温泉学)
ひとり温泉の湯治に環境抜群の新玉川温泉露天風呂(写真提供・新玉川温泉)

秋田県・玉川温泉 本気の湯治場も、ひとり気軽に泊まれる新玉川温泉

コロナが蔓延中、免疫力を高めることが大切だと感じ続けたが、そもそも免疫力って、何だろう。

日本人は西洋医学が導入される前から、温泉により免疫力を高めることで身体を整えてきた。

これが「湯治」である。

湯治場と言えば、難病の患者さんがすがる思いで訪ねる秋田県玉川温泉が有名だ。NHKの「ドキュメント72時間」の放送もあったっけ。

玉川温泉には今も本格的な湯治スタイルが残っているが、実は気軽にひとりで滞在しやすい新玉川温泉があることをご存知だろうか。

玉川温泉から2キロ離れた森林の中に位置する新玉川温泉は、昔ながらの湯治場を継承する玉川温泉とは雰囲気が異なり、ライトである。 

2018年のリニューアルにより、白木をふんだんに使ったスタイリッシュで広くなったロビー。部屋の壁紙は現代アートを彷彿とさせる色彩で、湯治場のイメージが一新された。アイボリーなど目に優しい色彩が基調とされているのも、おしゃれである。

特筆すべきはひとり部屋が50室もあることだ。

やや狭いが、「籠る」のを目的とするならば、この狭さがジャストフィット。都心のホテルのシングルルームとは異なり、窓の外には緑が溢れており、全く閉塞感がなく、私は心地よかった。

新玉川温泉の「ひとり温泉」部屋。(撮影・筆者)
新玉川温泉の「ひとり温泉」部屋。(撮影・筆者)

「ひとり温泉が市民権を得た」と、繰り返し綴っているが、実のところ「平日は歓迎だが休前日はお断り」「繁忙期はお断り」も少なくない中で、ひとり部屋と命名された客室がこれだけあると、気兼ねしなくていい。いつ行ったっていい。

私が訪ねた時も、20代の女性が「疲れたので湯治に来ました」と言っていた。彼女は3泊して、新玉川温泉に併設されている岩盤浴と温泉を、自分のペースで愉しんでいた。

微量なラジウムが放出される北投石の岩盤浴は新玉川温泉でも入れる。自然界にあるラジウムは身体を整えると言われている。それに、新玉川温泉は玉川温泉と同じ源泉を引いている。

青森ヒバの大浴場には源泉100%と50%のお風呂がある。強酸性だから、100%は肌への刺激が強く、私は入浴して1分程でピリピリと感じた。源泉50%は5分程入っていられた。大浴場前には貸切風呂もある。

青森ヒバの大浴場(写真提供・新玉川温泉)
青森ヒバの大浴場(写真提供・新玉川温泉)

刺激が強い温泉ゆえに、入浴説明会が開催される。また入浴相談室があり、看護師さんが常駐しているのも心強い。このように湯治へのサポートが充実しているのは玉川温泉と同様だ。

食事はビュッフェ形式で、秋田名物きりたんぽやいぶりがっこ等が食べられる。きりたんぽ鍋は比内地鶏のお出汁で美味。無農薬で新鮮な旬の野菜が並び、ドレッシングも米麹味や福寿味噌味など種類豊富で、連泊しても飽きないだろう。

素材が新鮮!バランスのよい食事がとりやすい(写真提供・新玉川温泉)
素材が新鮮!バランスのよい食事がとりやすい(写真提供・新玉川温泉)

※この記事は2024年9月6日に発売された自著『ひとり温泉 おいしいごはん』(河出文庫)から抜粋し転載しています。

観光ジャーナリスト/跡見学園女子大学兼任講師(観光温泉学)

新潟県長岡市生まれ。世界33か国の温泉を訪ね、日本の温泉文化の魅力を国内外に伝えている。NHKラジオ深夜便(毎月第4水曜)に出演中。国や地方自治体の観光政策会議に多数参画。VISIT JAPAN大使(観光庁任命)としてインバウンドを推進。「高齢者や身体の不自由な人にこそ温泉」を提唱しバリアフリー温泉を積極的に取材・紹介。『行ってみようよ!親孝行温泉』(昭文社)『女将は見た 温泉旅館の表と裏』(文春文庫)『宿帳が語る昭和100年 温泉で素顔を見せたあの人』(潮出版社)温泉にまつわる「食」エッセイ『温泉ごはん 旅はおいしい!』の続刊『ひとり温泉 おいしいごはん』(河出文庫)が2024年9月に発売

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