整理整頓できない人の、だいたいが「仕事ができない人」だが「とんでもなく結果を出せる人」にもなれる
世の中には、整理整頓ができない人がいます。片付けができない、捨てることができない。出したら出しっぱなし。元あった場所に戻すことができない性格……。そんな自分を責めるのですが、感情のコントロールができません。衝動を抑えられず、整理整頓するよりも、他事を優先してしまうのです。
感情のコントロールができない人の共通点は、目先の小さな報酬を優先し、将来の大きな報酬を後回しにすることです。当然、「仕事ができない人」のカテゴリーに分類されます。
私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。いろいろな企業に入りますが、まさに整理整頓できない人にたくさん会います。身の回りの整理整頓ではなく、頭の中の整理整頓です。
私たちコンサルタントが論理的に話しているのに、頭の整理ができない、過去の自分のやり方を捨てられない、そのため感情のコントロールができずに、感覚的な反論を繰り返す人がいます。「外部のコンサルタントの言うことなんて聞けるか!」「だいたいコンサルタントほど怪しい職業はない。ロクな奴がいない」などと。
しかし、身の回りを片付けられない人でも、頭の中を整理整頓ができない人の中でも、とんでもない結果を出す人がいます。というか、通常では考えられないような結果を出す人は、あまりロジカルに物事を考えていません。しっかり物事の準備をしてからやったほうがいいだろう、身の回りの片づけをしてから仕事にとりかかったほうがいいだろうとはわかるのですが、衝動を抑えられないほどのエネルギーがあるのです。
いったん立ち止まって、物事の事象を客観的にとらえ、見つめ直すことはとても重要です。偶然を必然にするため、再現性を確保するためには、仮説検証のクセをつけることは大切だからです。しかし、ものすごい結果を出す人は、将来の大きな報酬だとか、客観的なデータに基づく事実でもって仮説を立てるだとかいった面倒なことは考えません。
自分がやりたいことを優先して、突き進んでいくのです。企業のトップセールス、中小企業の社長、創業オーナーは自己中心的で、感情を制御できない人が多いのは、そのせいです。
私は現場に入ったとき、整理整頓ができない人を「仕事ができない人」と切り捨てたりはしません。ムリやり整理できるように指南もしません。それより「大化け」することを期待して、ワガママな感情、他人を攻撃したくなるエネルギーを、結果につながるような行動に振り向けてもらえるよう促していきます。
一般的には、整理整頓できない人は「仕事ができない人」です。しかし、だからダメ、ではありません。整理整頓している暇があったら、その分、結果に結びつくかもしれない行動を膨大に繰り返したほうが良いケースもあるからです。
ただ、ものすごい結果を出す人は、マネジメントに向いていないことを肝に銘じたほうがいいでしょう。