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関東最東端に穴場! プリッと弾ける肉塊、鮮度抜群の内蔵がたまらない【トリバッカ/千葉】

今回、冒険するのは千葉県・銚子市の「トリバッカ」。関東最東端に位置する銚子は日本屈指の港町。そのグルメといえば海鮮のイメージがあるなか、実は本格的な焼鳥屋だってある。店主の伊藤さんは東京の焼鳥屋でキャリアを積み、地元に戻り開業。千葉県でも地鶏・黒さつま鶏を使った焼鳥屋はきっとここくらいだ。

銚子で断トツの本格焼鳥屋へ

銚子駅から海へと向かって伸びる駅前大通り。横道に入り1分ほど歩くと暗がりのなかに灯りを見つける。そこが「トリバッカ(toribacca)」だ。都内の焼鳥屋は暗めに照明を設えた店も多いなか、ここは明るく、きっと誰にも入りやすいと思う。

「トリバッカ」のセットはお試し3本(1100円)からあるほか、20時以降は串のアラカルト注文も受け付けている。そういう意味では、焼鳥のビギナーから玄人まで幅広く楽しめる店なわけだ。時計に目をやると21時。積もった焼鳥欲を満たすように、ここぞとばかりに焼鳥を楽しむことにした。

若鶏にはない黒さつま鶏の濃さ

抱き身(むね肉)
抱き身(むね肉)

砂肝
砂肝

まずは地鶏を扱う店の定番、抱き身(むね肉)から。ふっくらとしたむね肉に、パリッと仕上がった皮目。ねぎの甘みをアクセントに最高のスタート。続く砂肝も地鶏ならではのたくましさ! これだ、これこれ。ジャクッとした歯切れに否が応でもビールが進んでしまう。

ライブ感のある焼き場が飽きない

焼鳥屋といえば、もうもうと立ち上る煙。遠火でじっくりと焼き上げる「トリバッカ」は、焼き台を囲むような耐熱ガラスがない。だからこそ味わえるライブ感。鶏の脂が炭に落ち、煙となってネタに香りを添える。くぅぅ。焼鳥好きならいつまでも見ていられる「絶景」。これがたまらないんだ。

つくね
つくね

せせり
せせり

そうこうして、つくねが差し出された。もう、つやっつやだ。表面をパリッと焼きかため、中は肉汁たっぷり閉じ込めた肉塊。地鶏のつくねは、やっぱり塩がうまいなぁ。脂がしみ出るようにコーティングされたせせりは、噛めばプリュッと弾ける弾力。いいね、最高の出だし。

出合えたら幸運の希少部位も!

丸ハツ
丸ハツ

白子
白子

店主の伊藤さんは肉屋を通さず、「黒さつま鶏」の産地と直接取引をしているのも大きな武器。だからこそ手に入るのが「希少部位」だ。丸ハツはその見た目のとおり、開かずに打ったハツのこと。まるでボイル後のソーセージのようにパンッ! と張り、噛めば肉汁がどばっと溢れるよう……。いい。まさに口福の味わい。「トリバッカ」のスペシャリテと言っても過言じゃないはず。

もう一方の白子は、雄鶏の精巣。白子というとフグやタラを思い浮かべることが多いだろうけど、クセがなく、とろりと溢れる雄鶏の白子も負けず劣らず滋味深い。「希少」という点でいえば、都内でも丸ハツ以上に出合えることが少ないネタだと思う。ピリッと引き締める赤柚子こしょうのアクセントがまたニクいこと!

「常連さんのなかには丸ハツを3本とか食べられる方もいらっしゃいます。黒さつま鶏の白子は本当に希少。うちに入るかどうかも運次第ですね」(伊藤さん)

砂肝のえんがわ。シャクッとしてやわらか
砂肝のえんがわ。シャクッとしてやわらか

リンパ(胸腺)。ふわりととろけるような脂
リンパ(胸腺)。ふわりととろけるような脂

地鶏のメインは定番のもも肉

もも
もも

ふくらはぎ
ふくらはぎ

さぁ、腹具合も満たされてきたので、そろそろメインディッシュ。地鶏といえば、なんと言ってももも肉だ。もも肉のなかでも上部の「もも」はやわらかでジューシーな味わい。黒さつま鶏は脂よりも肉にチカラがあると地鶏。皮を巻かずとも、充分、うまい串に仕上がる。

もう1本は「ふくらはぎ」。こちらはもも肉のすねに当たる部位。筋肉質でやや筋はあるものの、肉のうまみがギュッ! と凝縮されているように濃く、いつまでも噛んでいたいと思うくらいだ。実はこれも意外と出合えないネタ。ももとふくらはぎをミックスせず、手間をかけても一つのネタとして昇華させていることに、グッとくるわけだ。

キンカン。みたらし団子のような味わいはデザート的
キンカン。みたらし団子のような味わいはデザート的

気づけば胃袋に収めたのは、十数本。〆も入らないくらいに満腹だ。若鶏じゃなく、すべて地鶏「黒さつま鶏」。しかも膜付きの丸ハツや白子をはじめ、希少部位も豊富ときた。まさか関東最東端の地でこんな穴場に出合えるとは思いもしなかったなぁ……。

いやぁ、銚子、侮りがたし! 伊藤さんも「黒さつま鶏の焼鳥の魅力をこの港町に広めたい」と意気揚々だ。

「希少部位はもちろんのこと、焼鳥を楽しんでもらうだけでなく、季節の野菜を使った一品料理も充実させていきたいですね。この9月、なんとか4周年を迎えられました。もっともっと、『トリバッカ』を身近に感じてもらえたら嬉しいです」

▼冒険のおさらい

①扱うのは地鶏「黒さつま鶏」だけ

②お試し3本セットから頼める気軽さ

③他では味わえない希少部位がずらり

店舗情報
【店名】トリバッカ(toribacca)
【最寄り駅】銚子駅
【住所】千葉県銚子市双葉町4-24
【予約】0479-21-7976
【定休日】日曜
【串のアラカルト】あり(20時以降)
【セット】1100円〜

毎週、焼鳥三昧! 焼鳥を斜めに逆さ撮りする〝ヤキトリスト撮り〟は元祖にして名刺代わり! 「焼鳥は串柄、人柄」をテーマに、大衆的で気兼ねない町焼鳥から、鶏にこだわり1本1本に心血を注ぐ専門店まで焼鳥まみれの日々を送っています。焼鳥好きの方、フォローよろしくお願いします!

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