【兵庫県】全国の焼鳥通がリピートする名店が芦屋に!ジューシーな肉塊、とろとろの白レバーに悶絶
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今回冒険するのは、兵庫県芦屋市の焼鳥屋「永来権(えらごん)」。閑静な住宅街、芦屋。そのゆったりと流れる時間に合わせるように、レストランやカフェ、バーも落ち着き払っている。なかでも焼鳥といえばここ「永来権」は外せない。全国的にも珍しい地鶏「押岡地鶏」だけを扱っているのが特徴で、その味わいを求めて連日、全国から焼鳥通が訪れている。
自分でコースを組み立てる楽しさ
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うーん、これは趣きがある。凛として、落ち着き払った店構えに思わず背筋が伸びるよう……。それでも、焼鳥屋は高級店であっても日本料理やフレンチほど肩肘張らずに楽しめるのがいいところ。「永来権(えらごん)」のある芦屋は高級住宅街ではあるけれど、だからといってドレスアップしないと入れないなんてことはないわけだ。
席に着き、早速メニューをのぞくと「当店は焼鳥はおまかせとなっております」の文字。そう、「永来権」の焼鳥はアラカルトでもセットでもなくコースのみ。とはいっても〝フルコース〟じゃない。
- 先付け
- 焼きもの7種
- 口直し2種
- 鶏スープ
つまり、基本のコースにアラカルトで肴や〆を追加して、自分好みの焼鳥コースを作り上げられるわけだ。何から何まで店にゆだねるフルコースも楽でいいけれど、自分で選ぶということは、何度訪れても楽しめるということ。定番のポテサラなどいくつかの料理をオーダー。あとは腹の具合との相談で串や〆物を追加することにした。
![先付け](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yakitorisutonoboken/article/01669449/image-1716904410272.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
全国的に希少な「押岡地鶏」の焼鳥
![抱き身](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yakitorisutonoboken/article/01669449/image-1710602266535.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
まず1本目は、地鶏の焼鳥としては王道中の王道の抱き身(むね肉)から。肉はしっとりとやわらかく、皮目の甘い脂がジュワッと溢れ出す……。くぅ。この1本、この1貫目でぐっと心を掴まれた! そう、抱き身がうまい店は間違いないんだ。
しかも「永来権」で使われているのは「押岡地鶏」という全国的に見ても希少な地鶏。店主の渡辺さんが「理想的な鶏」をめざして養鶏農家と二人三脚で作り上げたもの。肉質はしなやかで、脂は甘みが深い。その地鶏だけを使った焼鳥を堪能できるというのだから、ここが〝唯一無二〟の焼鳥屋といわれるのも、なるほど、納得だ。
![シャクッとした砂肝はほのかに酸を効かせて](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yakitorisutonoboken/article/01669449/image-1716903913891.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![口直しの湯葉豆腐](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yakitorisutonoboken/article/01669449/image-1716906853936.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
アラカルトの一品料理も粒ぞろい
![3種の芋のポテトサラダ](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yakitorisutonoboken/article/01669449/image-1710602611819.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
焼鳥で弾みをつけたら、お待ちかね、肴の出番だ。ポテトサラダは、まるでマッシュポテトのようななめらかさ。口に含めばどこまでも優しい甘みが駆けめぐっていく……。粒マスタードのプチプチとした食感にドレッシングの酸味といい、シンプルながらなんて印象的な味わい。ふふ。これならいくらでも食べられそうだ。
![ささみとアボカドのタルタル](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yakitorisutonoboken/article/01669449/image-1710602627453.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![もも肉のたたき](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yakitorisutonoboken/article/01669449/image-1710602639198.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
ささみとアボカドのタルタルの美しい盛り付け。もも肉のたたきの美しい脂、肉色。これらがフルコースに組み込まれたとしても違和感がないくらいだ。脂の融点の温度が低いのか、とくにもも肉のたたきはとろけるような味わい。ポテトサラダと同様、これなら何切れでも食べられそうだよ。
溢れ出す甘い脂にうっとり……
![ふりそで](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yakitorisutonoboken/article/01669449/image-1710602322348.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
そして「ふりそで」だ。むね肉と手羽元の間に位置する希少部位で、大好物のネタ。抱き身(むね肉)よりも脂がのり、噛むほどにうまみ、甘みがジュワッと溢れるよう。なんだろうか。まだ3本目、コースも序盤だというのにクライマックスを迎えた気分……。まさに、口福。
![赤なす](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yakitorisutonoboken/article/01669449/image-1710602342040.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![せせりと鬼おろし、ポン酢](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yakitorisutonoboken/article/01669449/image-1710602356505.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
続くなすはアッツアツで、みずみずしく。さらにリコッタチーズを散らして、いっそうコク深く仕上がっていた。せせりは鬼おろしとポン酢で仕立てて。お、これは予想外の一手。これがまた口直し的でもあり、いい緩急!
地鶏の主役はやっぱり、もも肉
![ねぎま](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yakitorisutonoboken/article/01669449/image-1710602377816.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
さぁ、串も終盤。地鶏の主役ともいえる、もも肉を使ったねぎまが登場だ。しっかり脱水をかけているのだろうな。パリッとクリスピーで香ばしい皮目、しっとり、むっちりとしてうまみ豊かな肉質。あぁ、これだ、これこれ。噛めば溢れるように脂を感じるものの、塩もパチッと決まっているからキレもいい。
さらに、ふっくらアッツアツの手羽で中締め。「追加串はどうしようか」と考え始めたところ、押岡地鶏の肉ネタはたっぷり満喫したものの、まだ食べていない内臓ネタがあると気付いた。そう、レバーだ。いい店はレバーがうまい。こればかりは、追加しないと帰れないというもの!
![ふっくらとして手羽は、隠し包丁を入れて食べやすく](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yakitorisutonoboken/article/01669449/image-1710602395599.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
押岡地鶏の色気のある白レバーに悶絶!
![白肝](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yakitorisutonoboken/article/01669449/image-1710602466035.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
この見るからに脂がのった色気ムンムンのレバー! 白レバーを通り越して、もはや黄レバー。150日以上かける長期飼育の地鶏は栄養を蓄える分、レバーも脂がのりやすい。それほどエサの影響を受ける部位がレバーというわけだ。いやぁ、もう、とろとろ。とろんとろんだ。歯がいらないくらいほろりと溶け、濃い甘みが広がっていく……。うーん、至福。
それにフォアグラほどしつこくないのも魅力。地鶏のレバーは大好物だけど、押岡地鶏のレバーは別格かもしれないな。もしも追加できたなら、それはきっと幸運のあかし。きっと、全ての人に優しくできるはず!(言い過ぎ?)
![香ばしく仕上げたかしわ](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yakitorisutonoboken/article/01669449/image-1716908984229.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
![ふっくら、ジューシーなつくね](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yakitorisutonoboken/article/01669449/image-1710602530456.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
超の付く人気店だけど、一見も予約可能!
![鶏白湯ラーメン](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yakitorisutonoboken/article/01669449/image-1710602548456.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
〆は鶏白湯ラーメンやチキンカレー、親子丼などから選べることもあって、かなり悩ましい。王道をゆくなら親子丼なのだけど、麺好きとしては鶏白湯ラーメンは見逃せない。間もなく着丼。さすがはうまみ豊かな地鶏。一口すすれば、とろりとして濃厚なコクが押し寄せてきた。いいねぇ。こればっかりは若鶏では得られない〝深さ〟だ。
基本のコースに一品料理も串も〆のラーメンも追加して、気づけばしっかりとフルコースに。そのどれもが抜群にうまかったのだけれど、押岡地鶏の焼鳥の印象が色濃く、くっきりとした輪郭で残るのが「永来権」の魅力。
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いやぁ、全国の焼鳥通がわざわざ芦屋に足を運ぶというのも納得。それでリピーターになるというのも納得。連日、予約客で埋まっているものの「一見さんお断り」なわけでもなく、ちゃんと扉は開かれている。地鶏の焼鳥が好きなら一度は訪れてほしい、そんな名店だ。
うーん。思い出していたら、また行きたくなってきたなぁ……。次回は一品料理を削って、そのぶん焼鳥をたらふく食べて、〆はラーメンとカレーで。ふふ。最高に幸せな時間を過ごせそうな予感。
【予約方法】
・随時2カ月先の月末まで予約可能
・開始時間は「17:30」または「20:30」
・予約は電話または店のインスタDMにて
▼冒険のおさらい
①全国から焼鳥通が訪れる名店
②希少な押岡地鶏を丸ごと味わえる
③一見でも予約のチャンスあり
店舗情報
【店名】永来権
【最寄り駅】芦屋駅
【住所】兵庫県芦屋市大桝町7-9
【予約】0797-34-8077
【定休日】日曜
【串のアラカルト】なし
【コース(セット)】あり
【鶏メモ】押岡地鶏
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