「アドバイスが欲しい」と言うので、アドバイスするとブチギレるクライアントたち。
こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
今日のタイトルは、「『アドバイスが欲しい』と言うので、アドバイスするとブチギレるクライアントたち」です。
私は主に、来談者中心療法を使うカウンセラーです。
私のモットーは、クライアントに、「好きなことを、好きなように、好きなだけ喋ってもらう」というものです。←あくまでも基本です。例外もあります。
そんな中、「アドバイスは要りません。話を聴いて欲しいだけなんです」とおっしゃっりながら、私のカウンセリングルームをご来室される方がいらっしゃいます。私はアドバイスしません。徹頭徹尾話を聴きます。←「話を聴く」ということは、「反応する」ということです。耳の穴を開けていればいいってもんじゃぁありません。
クライアントの話に、
興味と関心を持った表情をし、
深く、時には浅く、ゆっくり、時には速く、頷き、
適切なタイミングで、適切な音量で、適切な声色で、相槌を打ち、
ときに、繰り返しを入れ、ときに、話を要約し、ときに、話を明確化します。
話を聴いてもらうだけで、下記の3つの効果を得ることが出来ます。
① 話してスッキリ。←カタルシス効果。
② 話して、わかってもらえた感を得ることによって、孤独感からの解放。←バディ効果。
③ 話すことによって、自分の頭の中が整理され、新たな気付きを得、素晴らしいアイディアが思いつく。←アウェアネス効果。
だから私は、話を聴くことを大切にしているのですし、
「話を聴いてくれるだけでいい」というクライアントがいらっしゃるのです。
実は、精神科医の藤井英雄 先生もおっしゃっているのですが、アドバイスせずに話を聴くのは、ものすごく高度なスキルが要求されるのです。←カウンセラー自身、メンタルが安定していることも重要です。
多くの方(一般の方や素人の方)は、すぐに自分の考えを述べてしまいます。そして、話し手の気分を害してしまいます。そう、多くの方は、つい、否定したり反論したり説教したりアドバイスをしてしまう…ということです。
よって、この記事をお読みの方は、どうぞ覚えておいてください。
アドバイスせずに、話を聴き続けるのは、非常に難しいことだ…ということを。
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ちょっと考えて欲しいのですが、あなたの周囲に、あなたのどんな話に対しても、否定せずに反論せずにアドバイスせずに、熱心に耳を傾け、話を聴き続けてくれる人が、いったい幾人いるでしょうか? おそらく1人もいないと思います。 そうではないですか? そう、そのくらい、アドバイスをせずに話を聴き続けるのは、難しい…っていうことです。
話は戻ります。
私は、「アドバイスは要りません」という人に対しては、アドバイスすることなく、徹頭徹尾、話を聴くことに徹するのですが、
難しいのは、口では「アドバイスが欲しい」と言いながら、心の底では「アドバイスなんか要らない」と思っている人たちです。
彼らは、アドバイスをしないと、不満を口にしますし、アドバイスすると、ブチギレます。←彼らは、「○○すればいいだって? 今のままでは、いけないのとでも言いたいのか?」と、現在の自分を否定されたように感じてしまうから怒りを見せるのです。
よって、そういうクライアントに対しては、
現在のありのままのクライアントを最大限に尊重および承認・肯定し、←ここが、もっとも重要です。
「どうしたらいいですか?」と尋ねられた時には、
すぐにアドバイスなどせず、「〇〇さんは、どうお考えですか?」と尋ね、
話を聴きながら、正解と思われる方向に、クライアントの考えを導き、
さも本人が、自分で良きアイディアを思いついたかのようにもっていく…という戦略を使います。←これは、非常に高度な技で、私もこれが出来るようになるまでには、数年、数千回の臨床体験が必要となりました。
そうなんです。世の中には、口では「アドバイスが欲しい」と言いながら、心の底では、「アドバイスなんかいらない。現在のありのまま自分を認めて欲しい」という人が、驚くほどたくさんいる…ということなのです。
では、今日のまとめです。
1.「話を聴いて欲しいだけ」という人には、話を聴くだけに徹し、
2.「アドバイスが欲しい」という人には、適切なアドバイスをし、
3.顕在意識ではアドバイスを欲しながら、潜在意識ではアドバイスを欲してない人に対しては、本人が、私が言いたかったアドバイスに気付くよう、もっていきます。
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最後は、ちょっと難しい表現になってしまいましたが、カウンセリングの深淵をおわかりいただけたでしょうか?
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。