【男性更年期】「よく噛む」は肥満を防ぎ、テストステロンを守る
「最近、お腹周りに肉がついてきた」「体重が増えてきた」という変化はありませんか? 最近の研究では、太っていることがテストステロンを低下させる原因となっていることがわかってきました*。また、男性更年期でテストステロンが減ると、筋肉量が減りやすくなり、筋肉量が低下すれば基礎代謝も落ちるので太りやすくなることもあります。そこで今回は、食べ方を見直して太るのを防ぐ方法、つまり「太らない食べ方のコツ」をお伝えします。
*参考:Endokrynol Pol. 2014;65(3):203-9. doi: 10.5603/EP.2014.0028.Relationship between sexual function, body mass index and levels of sex steroid hormones in young men.
肥満を防ぐコツは「よく噛んで食べること」
食べることは人生の大切な楽しみのひとつ。無理な食事制限ではなく「食べ方」自体を工夫することで食べても太りにくくなるのであれば、それに越したことはないですよね。
肥満を防ぐ食べ方の方法とは、ズバリ!「よく噛むこと」です。
日々の忙しさのなかで早食いがクセとなって、食事をかきこむように食べているということはありませんか? 実は、よく噛んで食べることには、肥満を防ぐためのメリットがたくさんあります。
よく噛めば肥満を防げる理由
①満腹中枢が刺激される
私たちは、食事を始めてから15分くらい経ってから、ようやく脳の満腹中枢が刺激されて「おなかが膨れてきた」と感じはじめます。
よく噛んでゆっくり食べると、適度なところで「おなかがいっぱいになった」ということを満腹中枢が体に教えてくれます。なので、食べすぎることなく、また食欲が満たされた状態を感じながら食事の量を抑えられます。しかし、15分も時間がかからないくらいのスピードであまり噛まずにかきこんでしまうと、おなかが満たされたのか、足りていないかを脳が判断できず、つい食べすぎてしまうのです。
②内臓脂肪が燃焼される
おなかの内臓周りにつく内臓脂肪。この内臓脂肪の蓄積は、“メタボ(メタボリックシンドローム)”の大きな要因です。実は、よく噛むことが“メタボ予防”になります。というのも、よく噛んで食べることで、脳の「ヒスタミン神経系」が活性化されるからです。ヒスタミン神経系の活性化は自律神経の交感神経に影響を与えて、内臓脂肪を分解・燃焼させます。よく噛んで食べると内臓脂肪が燃焼してやせやすくなるのです。
③食事誘発性体熱が産生される
3つ目の理由は、食事をした後は、安静にしていても代謝量が増えるということです。これを「食事誘発性体熱産生」といいます。食事をした後、身体が暖かくなるのはこの食事誘発性熱産生によるものです。
ちょっとまてよ!? よく噛まないで食べ物をそのまま飲みこんだほうが、胃腸に負担がかかるので、内臓ががんばってエネルギーを使って消化しようとするのではないか? そう考えるかもしれませんが、実際には逆です。
しっかり噛んで消化しやすい状態で飲みこんだときのほうが、胃や腸の血流がよくなり、消化するためにエネルギーを使います。また、栄養も吸収されやすくなります。つまり、食事はゆっくり噛んでいただくことで、内臓の基礎代謝が上がり、やせやすい体になるということなのです。
まずは3〜5回ずつだけよく噛んで食べてみる
肥満を防ぐための最もかんたんにできる第一歩は「よく噛む」ということ。できれな一口あたり20回〜30回を目安に噛んで食べられるのが理想です。しかし、頭ではわかっていても、忙しい毎日のなかでゆっくり食べる、よく噛む時間をとるというように実践するのはなかなか難しいもの。
まずは一口あたりプラス3〜5回多く噛む、一口で食べる量をへらしてみる、調理の際に食材を大きく厚めに切るなど、無理なく噛む回数をふやす工夫をしてみてくださいね!