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週末の関東平野部は、雪なのか?雨なのか?難解な状況

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雪の渋谷の交差点(写真:アフロ)

南岸低気圧が通過へ

低気圧や降水域と上空1500メートル付近の下層寒気の予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
低気圧や降水域と上空1500メートル付近の下層寒気の予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

3日前の13日(土)は、上空の強い寒気に伴い、関東平野部で一気に降水域が拡大、気温が急降下するとともに雪に変わり、東京都心、横浜、銚子、水戸で初雪を観測しました。これで関東地方ではすべての観測ポイントで初雪を観測したことになります。(関連記事

そして、今週末は再び関東平野部で降雪の可能性が出ていて、これは先週末の初雪とは違い、関東平野部で最も降雪となりやすい南岸低気圧による降雪の可能性ということになります。ただこのパターンで降る降雪はいつも難解で、わずかな下層寒気の強さや風向きのブレなどにより、雨かみぞれか雪か、あるいは積雪が生じるような雪に変化するため、その見極めが直前まで大変難しくなります。

上図をみると、今週末の20日(土)午後9時には、日本の南を東進する南岸低気圧の影響で、東日本や西日本に広く降水域がかかっていて、関東地方には北から上空1500メートル付近で、0度以下の下層寒気がくさび状に突っ込んでいる格好です。この0度以下の下層寒気が関東平野部で雪(みぞれを含む)になるかの最低条件ともいえ、-3度以下なら、東京都心を含めてその可能性が高まることになります。(最終的には上空500メートル付近で0度以下の寒気がもっと重要になります。)

この下層寒気は、きのう15日(月)の段階ではもっと関東地方に食い込む予想でしたが、きょう16日(火)の計算では、下層寒気の入りがややあまくなりました。そのため、関東平野部での降雪の可能性はきのうより減少した感じです。それでも今後わずかなブレで変化する可能性があるため、できる限り最新の計算をみていくことが必要になります。

揺れる雨雪予想

雨や雪の予想(15日午前9時初期値、ウェザーマップ)
雨や雪の予想(15日午前9時初期値、ウェザーマップ)

雨や雪の予想(16日午前3時初期値、ウェザーマップ)
雨や雪の予想(16日午前3時初期値、ウェザーマップ)

20日(土)の雨や雪の予想をみると、上述した通り、きのう15日(月)午前9時の初期値で計算された予想では、降雪の可能性がある領域(みぞれ域)が東京都心あたりまで広がっていたのに対して、きょう16日(火)午前3時の初期値で計算された予想では、降雪の可能性がある領域(みぞれ域)が北部や西部の山沿い方面へと後退しています。

ただこれで結論づいたわけではありません。今後も再び下層寒気が強めに変化してくる可能性は十分に考えられます。

週末の最新予報に注意を

関東の予報と最高・最低気温予想(ウェザーマップ)
関東の予報と最高・最低気温予想(ウェザーマップ)

ウェザーマップ発表による予報では、20日(土)から21日(日)にかけて、関東のほとんどの所で、雨か雪の予報となっています。最低気温は、北部の方がやや低いものの、おおむね2度から3度程度と予想されています。

これくらいの最低気温ならば、せいぜい雨に雪が交じる、みぞれ程度で済むという感じではありますが、あと1度から2度程度気温が下がる計算となれば、一気に雪予報に傾く可能性もありますので、最新情報にご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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