10代前半の死因1位は「自殺」。ほかの死因が減った? 学校や政治のせい? 推移を調べてみた
厚生労働省がまとめた2017年の人口動態統計から、戦後初めて日本人の10~14歳の死因として自殺が1位になっていたことがわかったと共同通信が3月21日に報じました。
この報道に対して、ネット上で多く見られた反応は次の2つです。
- ほかの死因が減少している(のだろう)
- 政治のせいで自殺が増えている(のだろう)
筆者は前者なのだろうと思いました。しかし、共同通信の報道は「自殺が1位になった」という情報だけで本当なのかどうかわかりません。
そこで、実際に死因の推移を調べてみました。
10代前半の死亡者は減っている
まず、10代前半の死亡者については年々減少していました。
このグラフは人口10万人あたりの10歳から14歳までの死亡者数ですが、ご覧のとおり右肩下がりです。
2011年に増えているのは東日本大震災によるものだと思われます。実際、2011年は不慮の事故による死因が増えています(東日本大震災による10~19歳の死者数は336名:『平成23年版 防災白書』より)。
自殺以外の死因は減っている
続いて自殺以外の死因です。
いずれの死因も右肩下がりです。
悪性新生物(腫瘍)や不慮の事故で亡くなる10代前半が減っており、喜ばしいことだと思います。
医療や制度の進歩の結果、10代前半の死因は自殺が1位になったのだろうと思ったのですが、そうではありませんでした。
自殺は増加傾向に
最後が自殺による死亡者数です。
年度によって増えたり減ったりはしているものの、2010年あたりから増加傾向にあります。
自殺を減らす対策が必要
データを見た結論です。
- ほかの死因が減少している
- 自殺は増えている
10代前半の自殺が増えている原因はわかりません。しかし、政府は何らかの対策をすべきだと筆者は思います。