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マイアミオープンで、5年連続のベスト16に進出した錦織圭。「いい自信はみなぎっています」

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
マイアミで5年連続のベスト16を決め、ガッツポーズをする錦織(写真/神 仁司)
マイアミで5年連続のベスト16を決め、ガッツポーズをする錦織(写真/神 仁司)

錦織圭(ATPランキング6位、3月21日付け、以下同)が、マイアミオープン3回戦で、第27シードのアレクサンドル・ドルゴポロフ(29位、ウクライナ)を、6-2、6-2で破り4回戦へ駒を進めた。

第1セット第1ゲームで、ストロークミスが続いていきなりブレークされた錦織だったが、第2ゲームで、40-30からドルゴポロフのストロークミスなどがあり、5回のデユースの末、錦織がブレークバックに成功した。その後は、終始錦織ペースで試合が進み、トップ10選手の力を見せつけ、曲者であるドルゴポロフを1時間11分で破った。

ドルゴポロフのファーストサーブの確率は49%で、これではツアー屈指のリターナーである錦織に対抗するのには不十分だった。錦織は、マイアミらしい蒸し暑さと海風が吹く中、無理をしないテニスで、ドルゴポロフを寄せ付けなかった。

「いつもそうですけど、なかなか思い切り毎回打てるわけではない。その中で、今日は(自分の)すごくミスが少なく、相手のミスを誘うようなプレーも多くできた」

このように試合を振り返った錦織は、マイアミ大会で5年連続のベスト16に進出。トップ10プレーヤーとして安定した成績を残している。

「いつもここでは、なんでかわからないですけど、いいプレーが自然とできる。風とうまく突き合いながら、今日はサーブが良かったですし、プレーもだいぶ良くなってきている」

錦織が、マイアミ大会と相性がいいのは、彼が拠点にしいているIMGアカデミーが、フロリダ半島のブラデントンにあり、彼にとって”第2のホーム”のような大会だからだろう。

「(マイアミと同じようにブラデントンも)風は強いので、やっている方は楽ではないですけど、慣れというか、苦手意識はない。(マイアミの)コートは、遅すぎず、バウンドしすぎず、自分のいい位置で打てる機会が多いので、自分に合っている」

「次も楽しみですね」と語る錦織は、4回戦で、第17シードのロベルト・バウティスタ アグート(18位、スペイン)と対戦する。対戦成績は、錦織の3勝0敗で、過去はすべてクレーコートで対戦し、ハードコートでは初めての対戦となる。

今回のマイアミ大会は、ドローのボトムハーフ(下半分)のシードダウンが激しく、第4シードのスタン・バブリンカと第5シードのラファエル・ナダルが、すでに2回戦で敗れている。

さらに、大会6日目には、錦織が4回戦で対戦するはずだった第9シードのジョ-ウィルフィールド・ツォンガや、準々決勝で対戦するはずだった第2シードのアンディ・マリーが、共に3回戦で姿を消した。この時点でボトムハーフでは、第6シードの錦織が、残っているシード選手の中で最上位となった。

「(試合ごとに)ストロークとサーブが良くなってきているので、次に向けて、いい自信はみなぎっています」

上位進出のチャンスが誰にでもあるようなオープンな状態になったボトムハーフで、錦織が抜け出すことを期待したい。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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