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ただ捨てればいいわけじゃない!「捨てなくちゃ!」とがんばる人の思わぬ落とし穴

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

断捨離や片づけを進めるとき、勢いに乗って「とにかく減らす」ことを目標にする人も多いかもしれません。

しかし、「捨てる」ことに集中しすぎると、結果として心が満たされないこともあります。なぜなら、ただ手放すだけでは「必要なモノ」が必ずしも残るわけではないからです。

捨てたのに心が満たされない理由


たとえば、キッチンで毎日使っているお皿を考えてみましょう。「割れていないし、まだ使えるから」と、とりあえず使っている場合、果たしてそれが心から満足できるモノでしょうか?

もしかしたら、あなたが心から好きで大切にしたいデザインの食器があるかもしれません。それなのに「まあ使えるから」と理由で、惰性で残しているモノが多いと、いくら数が減っても心が満たされない原因になりがちです。


またある人は「とにかく減らすことが片づけだ」と思い込み、思い出の品や趣味の道具まで手放しました。結果、家は広くなったものの、何か大切なものを失ったような感覚が残り、かえって物足りなさを感じることに。「モノが少ない=満足」ではなく、残ったモノが「自分にとって価値あるモノ」かどうかが重要だと気づいたのです。

捨てることよりも「残すこと」を意識してみよう

片づけを通じて心地よい空間を作るには、「どれだけ減らしたか」ではなく「どんなモノを残すか」に目を向けることが大切です。

つまり、残ったモノが「自分にとってふさわしいモノか」を見極める視点が必要です。「必要だから残す」という基準に加え、「これがあると心地よい、あるいは満たされるか?」という問いを自分に投げかけてみましょう。



例えば、ある人は食器棚の片づけの際にマグカップを見直しました。これまでただ使えればいいという基準で選んでいたことに気づき、「本当に気分が上がるマグカップ」が欲しくなり、思い切ってデザインや手触りが自分にとって特別なものを選び直した方もいます。

毎朝手に取るたびに幸せを感じることで、片づけた空間がより一層心地よく感じられるようになったのです。

片づけのゴールは「モノをどれだけ減らせたか?」ではない


断捨離や片づけを進めるとき、勢いに乗って「とにかく減らす」ことを目標にする人も多いかもしれませんが、片づけのゴールは「どれだけモノを減らすことができたか」ではありません。

減らした結果残ったモノを見て、自分の価値観やこだわりが反映されていると感じられるかどうかが、片づけの満足感に繋がります。だからこそ、「捨てる」にスポットを当てすぎず、「どんなモノが自分にとってふさわしいのか」をしっかりと見極めることが大事です。



モノを減らす過程で、「これは本当に必要か?」と問いかけるのはもちろん大事です。しかしその上で「これがあると自分の毎日が心地よくなるか?」と、自分自身に問いかける時間も大切にしてみてくださいね。

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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