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姫野和樹、日本代表でもリーダーシップを。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
主戦場はフォワード第3列のフランカー。(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 ラグビー日本代表の姫野和樹が、勝負のツアーでリーダーシップを学んでいる。

 ワールドカップ日本大会を2019年に控えるチームは、6月9日、16日にイタリア代表と、23日にジョージア代表とテストマッチ(国際真剣勝負)に挑む(場所はそれぞれ大分、神戸、愛知)。5月27日からの6日間は、宮崎・シーガイアで事前合宿を実施。現在は都内で調整中だ。

 

 2017年から日本代表入りした23歳の姫野は、リーチ マイケルキャプテンらとともにリーダーシップグループへ参画している。宮崎合宿終了後、その役回りへの態度について明かしている。

 昨季はトヨタ自動車で新人ながらキャプテンに抜擢されていた姫野は、身長187センチ、体重108キロのサイズでパワフルな突進を繰り出す。3日夜は、日本テレビで放送された『行列のできる法律相談所』に出演(収録は事前におこなっていたとみられる)。注目度は高まっている。

 

 以下、単独取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――宮崎合宿、振り返ってください。

「本当に宮崎の環境が素晴らしくて、充実したキャンプを送れました。ハードワークできる環境のもと、メニューもタフ。フィットネスをやってきつい状態でクオリティーの高い練習ができるか…ということをしました」

――合宿会場となった宮崎のシーガイアでは、ジムとホテルとグラウンドが至近距離にあります。ただ2015年以前の日本代表にいる選手にとって宮崎は、エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチが苛烈な合宿をおこなう場所だと見なされています。

「(年長者から)言われましたよ。『お前は、いい宮崎しか知らない』と! 僕は、宮崎が大好きです。ご飯もおいしいですし、キャンプをするなら最高の環境ですね。また行きたいです」

――イタリア代表戦に向けて。

「サンウルブズ(代表と連携を取るスーパーラグビーのチーム)と代表はまた別物。代表の試合でパフォーマンスを出せるかどうかは、また違う(チャレンジになる)。会場の雰囲気も全然、違いますし。代表の特別な雰囲気でやれるのは嬉しいことなので、全力でやるのみです」

――チーム作りで心がけることは。

「代表は代表で、重みというか、国を背負う責任がある。練習のなかから、軽いプレーはできないという雰囲気でやりたいです。代表の試合は、1試合きり。緩いことはできない。逆に、オンとオフの切り替えも大事。練習はハードにかつ根気強く、集中してやりたいです」

――リーダーシップグループに入られたようです。

「勉強することも多いです。いままでは(日本代表では)引っ張られる立場。最初の頃はあまり代表のことも知らず余裕もなかったのですが、いまはいい意味で余裕ができて、自分のことだけじゃなく周りのことも気にしながらやっていけたらと思います。

 優秀なリーダーが集まったチームでどうリーダーシップを発揮するかというのが、勉強になるというか…。自分は黙々とリーダーシップを出していきたい。グラウンドで歩かないだとか、早く(集合する位置へ)行くといったようなことで練習のシャープさを促したいです」

――人を声で引っ張ることについては。例えば、練習でミスが増えた時。単純に「集中しろ」と言えばいいわけではありません。

「あれだけの集団。集中は、している。では、ミスがなぜ起こっているのか。そういったアプローチも学んでいかないとだめですよね。勉強になることはたくさん、あります」

――テストマッチ(代表戦)では結果が問われますが。

「3連勝することが大事。それが僕たちの責任だと思っている。ワールドカップに向けて、11月に向けて、これからの日本ラグビーにとっても大事な3連戦。それはわかっているので、あとは自分たちのラグビーをする。そのための準備をするだけです」

 

 姫野は6月4日からの東京合宿でも精力的に動く。リーチキャプテンらレギュラー候補たちと同組で練習を実施。勝負の一戦での先発出場を目指す。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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