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NPB復帰のバーヘイゲンは前年60登板で防御率3.98。エンジェルスの抑えは63登板で防御率3.90

宇根夏樹ベースボール・ライター
ドリュー・バーヘイゲン Sep 30, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 1月12日、北海道日本ハム・ファイターズは、ドリュー・バーヘイゲンと契約の合意に達したことを発表した。

 バーヘイゲンが北海道日本ハムに在籍するのは、これが2度目だ。2020~21年に北海道日本ハムで先発投手として投げ、計207.2イニングで防御率3.51を記録した。

 その前後は、2014~19年がデトロイト・タイガース、2022~23年はセントルイス・カーディナルス。計206登板中198登板は、ブルペンからマウンドに上がった。タイガースに在籍した期間は、メジャーデビュー前を含めると、2012~19年となる。

 メジャーリーグ復帰2年目の2023年は、60登板で61.0イニングを投げ、防御率3.98を記録した。60登板と14ホールドは、どちらもカーディナルスで2番目に多かった。北海道日本ハム時代を除くと、ベスト・シーズンと言っていいだろう。2015年の防御率は2.05だが、20登板の26.1イニングに過ぎない。あとの6シーズンは、いずれも防御率4.60を超えている。奪三振率8.50以上も、2023年の8.85が初めてだ。

 2023年に60登板以上の投手は、94人を数えた。そのなかで、バーヘイゲンの防御率は、カルロス・エステベス(ロサンゼルス・エンジェルス)とほとんど変わらなかった。エステベスは、63登板の62.1イニングで防御率3.90を記録した。それぞれの防御率は、94人中、65位と63位。ちなみに、ベストはブルースター・グラテロール(ロサンゼルス・ドジャース)の防御率1.20、ワーストは藤浪晋太郎(現FA)の防御率7.18だ。

 防御率は高めながら、エステベスは、31セーブを挙げ、セーブ成功率も88.6%と悪くなかった。リリーフ投手の場合、防御率は先発投手ほど重要ではない。ただ、前半の防御率1.80とセーブ成功率100%に対し、後半は防御率6.59とセーブ成功率71.4%。そこには、大きな落差があった。

 前半と後半を比べると、奪三振率は11.06→11.52、与四球率は4.63→4.28なので、後半のほうがいい。一方、対戦した打者の全打席に占める割合は、奪三振が29.3%→26.1%、与四球は12.2%→9.7%だ。与四球率と同様に、与四球の割合も下がっているが、奪三振率と逆に、奪三振の割合は少し低下している。

 エステベスは、2年1350万ドルの契約2年目を迎える。2024年のエンジェルスにクローザーは必要不可欠ではない――セーブ機会は多くない――かもしれないが、後半の不調が続いた場合、夏のトレード市場でエステベスを欲しがる球団は出てこないだろう。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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